自転車などの運転中に使用する場合の注意点
骨伝導イヤホンは、耳をふさがないことによる安全性が高いといわれる。これについて担当者は次のように話す。
「自転車や乗り物を運転中に使用する場合、都道府県ごとの条例や法令に従った使用が必要です。以前、広島の警察本部に電話で確認したところ、サイクリング時にヘッドホン等を使用して音楽を聞く場合、緊急自動車のサイレンや警察官の指示が聞こえる状態であれば、ヘッドホン等を使用して音楽を聞いてもよいとの回答を得ました。警察官の声かけなどの際には立ち止まる必要がありますし、音量には十分注意が必要です」
参考:広島県道路交通法施行細則(平成27年12月1日 改正施行)イヤホン等の禁止(第10条第10号)
ちなみに東京都の「東京都道路交通規則 第8条(5)」には次の記載がある。
「高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと。」
骨伝導の特許を取得している日本企業
骨伝導の技術に特許を取得している日本企業もある。
●ゴールデンダンス株式会社(大阪府大阪市)
ゴールデンダンスは、骨伝導のパイオニア企業といわれており、主に健常者向けに鼓膜への負担軽減、騒音下での通信システムなどの骨伝導商品がある。公式サイトでは、骨伝導のしくみなどの知識コンテンツもあるため、骨伝導の知識を深めたい場合に参照したい。
●株式会社テムコジャパン(東京都杉並区)
テムコジャパンは、世界初の「骨伝導イヤーマイクロホン」を商品化した。「骨伝導の原理を利用して、人間の音声を耳孔内からピックアップ」という基本特許を取得し、その製品化を目的として、 1985年3月に設立された。
骨伝導イヤホンは、屋外での使用だけでなく、室内における育児・家事、調理中の利用用途や、ハンズフリー通話の活用用途も見出されている。ただ「耳をふさがない」メリットだけでない、プラスアルファの可能性が見えた。
【取材協力】AfterShokz
取材・文/石原亜香利