年々増え続け、2017年には延べ700万人以上が日本を訪れた(*1)中国人。その旺盛な購買意欲ゆえ、「爆買い」が落ち着いてからもインバウンド産業の最大のターゲット層であり続けている。
そんな中国人から特に人気の日本の化粧品ブランドとは、いったい、何なのだろうか?
今回、日本だけではなく、韓国も加えた中国人女性を対象にした「ブランド認知・購入状況調査」の結果が届いたので、早速、紹介していきたい。
訪日経験のある中国人女性の9割が資生堂を認知。韓国の3ブランドがSK-Ⅱ超え。
越境ECの利用習慣があり、かつ過去1年間に訪日経験のある中国人女性の各化粧品ブランド認知率がランキング化されたところ【図1】、認知率90%に達した資生堂が圧倒的1位という結果に。日本のブランドでは資生堂以下、SK-Ⅱ、雪肌精、花王、コーセーと続き、DHCまでが過半数からの認知を得ていた。
一方、韓国のブランドも高い認知率を得ており、雪花秀 (ソルファス)、innisfree (イニスフリー)、LANEIGE (ラネージュ) の3ブランドが日本ブランド2位のSK-Ⅱを上回る順位となった。
年代で資生堂が認知率1位。30歳以上で特に韓国の雪花秀 (ソルファス) の認知率が高い。
続いて年代別の認知率をランキングにすると【図2】、全年代で資生堂が1位となった。2位には30歳未満では低価格帯ブランドのinnisfree、30歳以上では高価格帯ブランドの雪花秀と、いずれも韓国を代表するブランドが位置づけている。
雪花秀は30歳未満では比較的下位となった一方、innisfreeは逆に35歳以上で下位となっており、年代による人気差が強く表れた。24歳以下では日本のドクターシーラボも8位となっており、若年層ほど低価格で親しみやすいブランドが人気を集めている様子がうかがえる。
資生堂は購入者のリピート率が8割以上。SK-Ⅱも7割を超える
さらに認知だけでなく、各ブランドの購入経験やリピート状況についても聴取された【図3】。図を見ると、資生堂は認知されているだけでなく購入率、そして購入者のリピート率も群を抜いて高いことが明らかに。SK-Ⅱもまた、購入率は6割強である一方リピート率が7割を超えており、利用者のロイヤリティが高いブランドとなっていることがわかった。韓国の雪花秀、innisfree、LANEIGEもロイヤリティの高いブランドであることがうかがえる。
以上のように、国内メーカーでは資生堂が中国人から人気だと分かった今回のアンケート調査。「爆買い」がよく起こるドラッグストアの店舗管理者は、資生堂製品を重点的に発注したほうが良いかも知れない。
<調査概要>
中国本土の大手市場調査会社モニター会員の協力のもと、越境ECの利用習慣があり、かつ過去1年間に訪日経験のある中国人女性に対して、化粧品ブランドの認知、購買状況や越境ECの利用状況、美容に対する意識等についてアンケート調査を実施。
※ 回答期間: 2018年6月28日~2018年7月9日
※ 全体回答者数: 4,112人
※ 本調査対象者数: 1,059人
※ 性年代別インターネット人口に則したウェイトバック集計後の有効サンプルサイズ: 1,032 ss
出典元:株式会社ヴァリューズ
構成/こじへい