先日、男性専門の総合美容クリニック『ゴリラクリニック』が20~40代の男女630名(男性316名・女性314名)を対象に行なったインターネット調査によれば、男性の59.2%が「自分のムダ毛が気になる」と回答。特に20代では69.7%に達した。
一方、女性も61.2%が「男性のムダ毛が気になる」と回答している。
以上の結果からも、体毛・ムダ毛の処理が今や性別を超えた関心事であることがわかる。
ちなみに男性が許せない自分のムダ毛ワースト5は(1)鼻毛 (2)肛門の毛(3)ヒゲ(4)脚毛 (5)アンダーヘアの順だった。
(男性専門の総合美容クリニック「ゴリラクリニック」調べ)
季節は本格的な秋を迎えて、ハーフパンツは任務終了となったが、例えばスポーツジムではランニングにスイミングと、肌を見せるシーンは多い。本格的な旅行シーズンとなれば、親しい仲間と温泉など行く機会もあるだろう。これだけグルーミングへの関心が高まれば、夏だけではなく、通年でのケアが〝常識〟となってくるはずだ。
そこで今回は、ネットや店頭での売れ筋となっているムダ毛ケアのグルーミングアイテム3モデルを価格帯に応じてピックアップ。スネ毛の処理が初めてという現役ビジネスマンの方に体験してもらい、その様子をリポートしていく企画をお届けしたい。
用意したのは、小泉成器『レッグヘアトリマー KMC-0630/K』、フィリップス『ボディグルーマー TT2040/15』、そしてパナソニック『ボディトリマー ER-GK70』というラインアップ。
取材当日は3モデルを右脚の右側、左側、そして左脚の右側を使って実際にスネ毛を処理。それぞれの部位で使用前・使用後の画像も掲載しているので、ぜひ確認して欲しい。脚の掲載写真はいずれも左が使用前、右が使用後になる。
体験していただいたのは、雑誌・書籍のDTPや配信用データを手がける昭和ブライトの高橋直也さん、企業の広報業務を展開するクリエイティブPRの畑中勇二さん、そして通販業界専門のデジタルマーケティング支援を行なうワンスターの高橋佑太さんの3名だ。
体験していただいた方たち
高橋直也さん
畑中勇二さん
高橋佑太さん
それでは小泉成器『レッグヘアトリマー KMC-0630/K』から始めていこう。
乾電池駆動を採用した3段階調整機能付きのベーシックタイプ
小泉成器
レッグヘアトリマー KMC-0630/K
本体サイズ/約幅49×高さ140×奥行き31mm、約96g
電源/DC3V 単4アルカリ乾電池2本(別売)
付属品/長さ調節コーム、掃除用ブラシ
水洗い/刃部のみ対応
オープン価格
毛の長さを整えるには、付属の長さ調整コームをセット。背面の長さ調整スライドを動かして長さを設定する。設定できる長さは約12、10、8mmの3段階。
今回は8mmで試してみた。
毛を梳く(量を減らす)場合にはスキ刈りプレートを前にスライドさせ、刃先と肌が90度になるように動かす。商品名こそ「レッグヘアトリマー」だが、同社では腕や胸のムダ毛の手入れにも使える、と説明している。
価格的にも身近なレッグヘアトリマーだが、スキ刈りプレート付きでお買い得感あり。
今回取り上げたモデルの中では唯一の乾電池駆動。単4乾電池を2本使用する。連続使用時間などのデータは未発表。
直也‘s view
使用前 使用後
片手に収まるコンパクトサイズで手軽に使えるモデルだと思います。ただし長さ調節コームが最短でも8mmと、少し長めの設定のように感じました。また長さの設定を変えようと、スライドを動かすとコームが外れやすかったことも気になりました。
勇二‘s view
使用前 使用後
最初は8mmと聞いて不安に駆られましたが(笑)、意外に変化が少なかったかも。このモデルは、まず8mmで長い毛をカットしておいて、スキ刈りプレートで仕上げるがいいと思いました。乾電池でどのくらい駆動できるのかも知りたいですね。
佑太‘s view
使用前 使用後
毛は刃に絡むこともなく、滑らかな動きでしたが、最短が8mmという設定は、やや長い印象を受けました。5mmは設定してほしかった、というのが率直な感想です。本体は外観よりも軽量で、扱いもラクでした。
編集部’s view
実質的に脚専用とすることで低価格化を実現したモデル。すね毛を手軽に処理したい人向けと言えるだろう。体験者からの指摘もあったが、コームの設定が8、10、12mmとやや長めのため、慣れるとコームなしのすき刈りを主に使いたくなるのではないか。刃は水洗いに対応しているほか、掃除用ブラシも付属する。
トリミング用とシェービング用の2つのヘッドを搭載
フィリップス
ボディグルーマー TT2040/15
本体サイズ/幅65×高さ185×奥行き34mm、203g
カット対応長さ/5段階長さ調節機能 (3-11mm、2mm毎)
電源方式/充電式
使用時間/約50分
防水仕様/IPX7基準
オープン価格
1台にトリミング用とシェービング用の2つのヘッドを搭載した〝二刀流〟スタイルを採用。こちらは毛の長さを整えるトリミングヘッドで、5段階で長さが調整できる。
ちなみに目盛りの数字が仕上がりの長さではない。目盛り5が仕上がり長さ11mmとなっており、以下、4が9mm、3が7mm、2が5mm、1が3mm。
今回は目盛りの「3」、仕上がりの長さ7mmで体験していただいた。
取材では使用しなかったが、こちらがシェービング用のヘッド。これで、ほぼツルツルの肌に仕上げることができる。長さが10mm以上ある場合は、先にトリミングしておくとシェービングしやすい。
使い方は網刃を軽く肌にあて、毛の流れに逆らうように動かしていく。
独特のフォルムを採用した充電スタンド。電源ケーブルは着脱可能なので、充電時以外も保管用のスタンドとして使える。
直也‘s view
使用前 使用後
今回はコームが本体から外れることもなく、またヘッドも毛が密集しているエリアで引っかかることもありませんでした。ただし最初は、目盛りの数字が、そのまま仕上がりの長さだと思っていたので、少し戸惑ってしまいました。
勇二‘s view
使用前 使用後
自分も最初はコームの目盛りで迷ってしまいました。とはいえ肌当たりもソフトにカットできたと思います。防水仕様で浴室でも使えるので、毛クズの処理が簡単にできる点もいいですね。
佑太‘s view
使用前 使用後
滑らかな剃り心地で気持ち良く仕上げることができました。ただし、これは個人的な生え方の問題かもしれませんが、ふくらはぎなど多方向に生えている一部のエリアでは、細かく数回にわたって動かす必要がありました。
編集部’s view
独自の「デュアルヘッド」を搭載したボディグルーマー。さすがシェーバーメーカーだけに機能は問題ないのだが、プレミア感漂うメタル調の本体と比較して、少し儚げな雰囲気が漂うコーム部が気になってしまった。
9mmアタッチメントが加わった機能充実のベストセラーモデル
パナソニック
ボディトリマー ER-GK70
本体サイズ/高さ192×幅33×奥行き47mm、約140 g(アタッチメント含まず)
付属品/肌ガードアタッチメント(2mm)、長さそろえアタッチメント(3mm/6mm/9mm)
電源方式/8時間充電式
使用可能時間/1回のフル充電で約40分間使用可能
防水仕様/IPX7基準
オープン価格
これ1台で全身のグルーミングに対応するボディトリマーだ。その特徴としては前出の2モデルがスライド式のコームを採用していたのに対し、ER-GK70は3mm/6mm/9mmの長さそろえアタッチメントに加え、肌のやわらかい部分でも使える2mmの肌ガードアタッチメントが付属。調整したい長さに合わせて、アタッチメントを取り替える方式となっている。
今回は6mmのアタッチメントで体験していただいた。アタッチメントを使用する際は、アタッチメントが肌と垂直になるようにあてる。
また、主にデリケートなエリアで使用するだけに、刃先をワイド&ラウンド形状とした「トリマー刃」を採用。肌への当たりがやさしい上、刃と刃の間隔を広げた設計のため、肌に食い込みにくいという特徴も持つ。
肌ガードアタッチメント、またはアタッチメントなしの直刃で使用する時は、上の写真にようにヘッドを寝かせて、毛の流れに逆らうようにゆっくりと動していく。直刃の場合、約0.1mmの短さまで剃ることができる。
ヘッドは、これもデリケートなエリアでの使用を想定した「V字ヘッド」を採用。安全カミソリタイプの「T字ヘッド」では、お尻の凹部分には刃先が届きにくいが、V字であればヒップラインに沿って処理がしやすいというわけだ。またお風呂でも使える防水設計(IPX7基準)となっている。
直也‘s view
使用前 使用後
不自然にツルツルでもなく、かといって中途半端でもない、事前の予想以上にいい感じに仕上がりですね。アタッチメントや刃先の肌へのあたりもスムース。時間的にも、これまでの2機種よりもスピーディーだったと思います。
勇二‘s view
使用前 使用後
スライド式のコームは、使用中に誤って設定を変えてしまうことも考えられますが、パナソニックのアタッチメント式であれば、長さが変わらないので安心です。腕は短めにしたいので、機会があれば「肌ガードアタッチメント」も使ってみたいですね。
佑太‘s view
使用前 使用後
仕上がり感は満足で、さらに個人的には本体のグリップ感の良さを感じました。刃を上向きにした逆手持ちや、細かく動かしたいときの指を添えたペンシルグリップなど、使用する場所に応じて自然に持ち方を変えられたからです。これならデリケートゾーンにも安心して使えるという印象です。
編集部‘s view
今回取り上げたグルーミングアイテム中では、デリケートな部位のトリミングにも対応した唯一のモデル。それだけにヘッドの形状はもちろん、刃やアタッチメントにも細かな配慮がなされている。今回のER-GK70から9mmの長さそろえアタッチメントが新たに加わり、より幅広い用途に対応できるようになった点にも注目したい。
取材を終えて
今回は小泉成器「レッグヘアトリマー、フィリップス「ボディグルーマー」、パナソニック「ボディトリマー」という3モデルを取り上げて比較してみた。
いずれも同じムダ毛ケアアイテムとはいえ、デリケートゾーンへの使用の可否、あるいはコームかアタッチメントといった仕様の違い、さらに設定可能な長さも異なるなど、単純な比較は難しい。
しかし、使ってみたからこそ、わかったこともある。その一つがコームやアタッチメントの幅だ。編集部実測で小泉成器が32mm、フィリップスが33mm、パナソニックが37mmとなり、パナソニックが最大となった。つまりパナソニックが1回動かした時にカバーできる肌面積が最も広く、それだけムダ毛を多く取り込み、カットできることになる。
そこで改めて「使用前・使用後」画像を見直すと、全体がキレイに仕上がっているパナソニックに対し、他社は剃れている部分と剃れていない部分、シェーバーで言えば、いわゆる〝剃り残し〟が生じてい場合もあったことがわかる。
また、肌への接地面積が広ければ、その分、肌への圧力が分散され、シェーバーと同じく、より肌に優しいトリミングができるはずだ。
そしてヘッドの形状もパナソニックだけがV字ヘッドを採用。これは前述したようにデリケートゾーンへの使用を想定したもので、このエリアでの使用を前提としない小泉成器とフィリップスとは、それこそ単純比較はできない。
しかし冒頭のアンケートで紹介したように、男性が気になるムダ毛には、デリケートゾーンがヒゲや脚よりも上位にランクインされている。
またデリケートゾーン、特にお尻周辺のケアは季節を問わず、まさに通年で求められるもの。
前モデルに引き続き、好調な売り上げを示しているパナソニック「ボディトリマー」のヒットの理由を、改めて知ることができたように思える。
撮影/末安善之