国民健康保険は高い。払えないといわれる理由
日本はすべての国民が公的医療保険に加入する国民皆保険制度を採用しています。保険の種類(保険者)は大企業、中小企業、教員など働く場により異なりますが、個人事業主やフリーター、無職などは国民健康保険に加入します。*他に後期高齢者医療制度もありますが、ここでは割愛します。
医療費の自己負担割合は3割が基本。これはどの保険もほぼ同じです。異なるのはその保険料の支払いを誰がするかという点で、健保組合やきょうかい健保などは半額を会社が負担してくれます。
一方、国民健康保険は全額が自己負担。同じ月額2万円の保険料でも自己負担は1万円と2万円の差。額が大きくなるほど割高感が増すわけです。
国民健康保険は無収入でも保険料が発生します
国民健康保険の保険料は、
・医療分:国民健康保険の医療保険等の給付
・後期高齢者支援金分:後期高齢者医療制度の運営を支える財源
・介護分(40歳以上、65歳未満):介護保険納付金
で構成され、それぞれ
・所得割:世帯加入者の所得に応じて計算
・均等割:世帯の加入者数に応じて計算
・平等割:一世帯あたりで計算
の合計で計算されます。たとえ無収入でも原則無料になりません。
なぜ無職でも国民健康保険の保険料は高いのか
国民健康保険保険料は前年の所得に対して計算されます。転職などで会社を退職した場合、会社による半額負担がなくなるため、保険料の自己負担は2倍以上になったと感じます。
それまで給料からの天引きで保険料が引かれていたのに、国民健康保険は口座振替や納付書による振り込みになるため、お金の流れがハッキリ見えてしまいます。
もうひとつ、国民健康保険の加入者は小さな子供から高齢者まで幅広く、他の健保組合などに比べ平均所得も低めです。それを補うため、少しでも所得があれば大きく頼る仕組みなのも原因です。
国民健康保険の保険料には限度があり、東京23区(2018年)なら年額
医療分:58万円
後期高齢者支援金分:19万円
介護分:16万円
で、合計93万円。ここに達するには相当の前年度所得が必要ですが、別の意味では、億単位で稼いでいても、この額で済む=高額所得者に優しい国民健康保険ということになります。