■研究結果
ヘッドフォンのバランス化で最も面倒なのがハウジング側の配線である。まず、ハウジングを分解する必要があり、分解してもバランス化できるという保証はない。理想的なのはSENNHEISERのように交換可能な左右独立式ケーブルである。これならメーカー純正やサードパーティのバランス用ケーブルが入手可能。さらに自作でリケーブルもできる。次に狙い目なのはケーブル交換式で1本出しだが、バランス伝送されているモデル。これはハウジング側のケーブル端子を見れば分かる。通常はステレオ用なので、黒いリングが2本入っているが、これが3本入っていればバランス伝送なので、リケーブル可能だ。
私が次に考えているのは、AKG『Q701』か『K712 PRO』を入手する。どちらもケーブル交換式だがバランス伝送ではない。しかし、ハウジング出口まではバランスなので、3pin mini XLRを4pin mini XLRに交換してハウジング側からバランス仕様にする方法。これなら、ステレオ標準プラグ用、4pinXLR用ケーブルなど必要に応じて差し替えられる。次回は交換式ケーブルのリケーブル、そして、ハウジングを開けてケーブルごとバランス化する上級編へと進む予定だ。
●4芯ケーブルのヘッドフォンはバランス化がカンタン
●バランス化しても変換ケーブルを作れば普通に使える
●一般的にバランス化すると音像定位と音場感が向上する
(文/ゴン川野)
オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!