■Introduction
ハイエンドから始まったヘッドフォンアンプのバランス化は、ポータブルモデルまで浸透して、これからますます増えそうな気配だ。そこで、オーディオファンなら、1台ぐらいバランス対応ヘッドフォンを持ちたいところだ。ポタフェスで憧れのハイエンドヘッドフォンアンプを試聴するときに普段から聴き慣れたマイヘッドフォンを取り出す。そんな光景を想像しながら、ヘッドフォンのバランス化に挑戦しよう! 今回は最もカンタンなリケーブル方法を紹介する。
一般的なバランス接続の場合、ホット、コールド、アースの3本の線が必要になる。これはハンダ付けも大変である。しかし、ヘッドフォンの場合アースを配線する必要がなく、LRにそれぞれホットとコールドの配線をすればいい。バランスになっていないヘッドフォンは左右のコールドをまとめて1本にしているため、ケーブルの中にはRホット、Lホット、共通コールドの3芯ケーブルが入っている。ところが高音質を追求して左右独立したコールド線を使い、ヘッドフォン端子ギリギリまで4芯ケーブルを使っているヘッドフォンがあるのだ。有名なところではAKG『K701』がある。beyerdynamic『T1』、『T5p』などのハイエンドモデルもこの方式を採用している。さらに左右のハウジングから独立してケーブルが出てきて1本にまとまるタイプは4芯ケーブルの可能性が高い。またSENNHEISERの多くのモデルが4芯ケーブルである。まずは内部が4芯ケーブルのヘッドフォンを探しだそう。
■Practice
今回、私が狙っていたのはAKG『K701』だったのだが、ヤフオクで『K601』を8000円で落札できたため、こちらでバランス化を実践する。Webで情報収集した結果、『K601』の配線は下記のようになっていることが判明した。
Rホット=オレンジ
Rコールド=ブラック
Lホット=イエロー
Lコールド=ホワイト
これが分かれば、後は好みの長さでヘッドフォンケーブルを切断して、XLRバランス端子をハンダ付けすれば完成である。配線が分からなければハウジングを分解してスピーカー端子がどこに接続されているかを探すか、バランス化してからチェック用CDで検聴するしかないだろう。基本的にはRホットが赤、Lホットが黄色のことが多い。XLR端子側は2番ホット、3番コールドが一般的だ。それでは早速工作に入ろう。