アウディジャパンが、2012年に300台、2013年に200台だけ、販売していた『A6オールロードクワトロ』を、台数を限定しないカタログモデルとして復活させることを発表した。これを素直に喜びたい。
■『オールロードクワトロ』とは?
『A6オールロードクワトロ』に抱く愛の大きさは、誰にも負けないと自負している。このクルマの素晴らしさは、まだ車名に『A6』が付かず『オールロードクワトロ』と呼ばれていた初代から変わらない。では、何が素晴らしいのか?
運転席に座ったまま、ボタン操作ひとつで最低地上高を5段階にも上下させることができるのだ。まず、そこが素晴らしい。『A6オールロードクワトロ』は、『A6』のステーションワゴンである『A6 アバント』をベースに造られているクルマだ。『アバント』との大きな違いは、車高自動調整システムが加えられている点だ。
『レンジローバー』や『カイエン』なども最低地上高を上下させることはできるが、段数は少ない。最低地上高を下げれば、高速での安定性が増し、上げればラフロードや雪道での凸凹をクリアできる。いくら4輪駆動であっても、クルマの床下やサスペンションなどが凸凹に引っ掛かってしまっては、前に進めない。凸凹は岩のように硬いものでなくても、新雪だって意外なほど抵抗が大きいのだ。
抵抗はクルマが前に進む力を奪い、構わずアクセルペダルを踏み続けていると、タイヤは下の方向に引っ掻くだけに陥ってしまう。そうなったら、もうスタックしかない。砂や泥などでも同じことだ。