■Introduction
PIONEERがこだわり続けているDACメーカーそれがESSである。ESSの作るDACは独自のデジタルフィルターにジッター低減機能やデジタルボリューム、クロックのロックレンジの幅を調整する機能などユニークな機能を満載。ハイエンドメーカーも注目のDACである。私もESS/ES9018の音に惚れ込んで、リファレンスDACにはResonessence Labs『INVICTA/MIRUS』を使っている。ES9018SをLRで2個使い、8chのパラレル出力を1chにまとめて使うという贅沢を尽くした回路構成を採用している。
これに対してPIONEERのピュアオーディオアンプはESS/ES9011Sという2ch専用のカスタムチップを使った『A-70』を製品化している。オンラインショップでの直販価格は15万80円である。それに引き続き登場したUSB/DACが『U-05』である。今回は何とES9016をダブルで搭載! ハイエンドのES9018をシングルで使うよりES9016をLR独立で使い8chパラレル駆動することでS/Nの向上を選択したという。この考え方は『INVICTA/MIRUS』と一致する。さらに一般的には封印されているロックレンジアジャスト機能を全面解禁! そんなことを実行したのは日本のガレージメーカーだけで、伝説の高音質DAC、ATI LABO『duaal ES9081 fullbalance DAC』やArcadiaDA『Model II DAC』ぐらいしか見当たらない。そして確かに音質向上効果はあったのだ。
『A-07』これだけでもスゴイのだが、バランス対応ヘッドフォンアンプも搭載している。一見、DAC内蔵ヘッドフォンアンプに見えるが、PIONEERのWebサイトを見るとヘッドフォアンプ内蔵型USB/DACにジャンル分けされている。しかし、決してヘッドフォンアンプがオマケという訳ではない。DACからフルバランスでアナログ出力される立派な回路構成。さらに4pinXLRと3pinXLRの両方に対応する親切設計。これでお値段は希望小売価格10万5000円、実勢価格約8万6500円のハイコスパなのだ。スペック的には文句ナシだが、一体どんな音を聴かせてくれるのか。