【研究結果】
24-105mmは標準ズームとして非常に使いやすい焦点距離をカバーしている。それならナノクリのニッコール24-120mmがあるじゃないかと言われそうだが、実売価格が、純正ズームは約12万円、SIGMAなら約8万8000円と価格差3万2000円。望遠端の焦点距離の違いは15mmである。これをどう捉えるか。広角端なら1mmの違いも大きいが、望遠端には目をつむるという考え方もある。本機の描写能力は優秀で、特に中心部の解像度が高い。さらにハイコスパでクールなデザイン。悩むところがあるとすればF4なのに重さが885gもあることだ。これはニッコール24-70mmF2.8の900gに匹敵する重さだ。高性能レンズほど大きく重くなるという原則に忠実なので、文句は言えないが、これが原因でレンズを持ち出す機会が減ったのでは、本末転倒。重いレンズは想定済みという人には高画質な標準ズームとしてオススメ。特にポートレートに向いてると思う。
●フルサイズならF4でもキレイなボケが得られる
●広角の周辺光量落ちはレンズの味のうち
●SIGMAの新型レンズのデザインは渋い
●SIGMAのArtラインは確かに高性能だ
(文/ゴン川野)
カメラ生活42年、小学生でオリンパスPEN-Fを愛用、中学生で押し入れ暗室にこもり、高校では写真部部長。大学卒業後、単身カナダに渡りアウトドアスクール卒業後「BE-PAL」を経て本誌ライターに。保有交換レンズ41本、カメラ28台(見える範囲で)。阿佐ヶ谷レンズ研究所もよろしく。