■Introduction
何度も書いているが私は24mmが好きだ。高校時代から使っているレンズなので標準レンズとして画角がすぐにイメージできる。以前は超広角に近い広角レンズとされていたが、HDTVが16:9を採用する現代では、普通の広角レンズとしてコンデジの標準ズームになるほど一般的になってきた。目の見えている範囲は120度と言われている。つまり超広角12mmレンズぐらいの視野がある。まあ、ちゃんと見える範囲は60?70度ぐらいらしい。28mmから35mmの画角に相当するのだ。そもそも標準レンズという名前が誤解を生みやすいのであって、これはもともとフィルムの対角の長さに近い焦点距離を意味する言葉で、35mmフィルムなら43.3mmが標準レンズになる。そこでこれに近い50mmが標準レンズと呼ばれたのだ。
今回、SIGMAのArtラインとして発売されたSIGMA『24-105mm F4 OS HSM/DG HSM』は開放絞り値F4通しの高画質レンズであり、手ブレ補正に超音波モーター採用、885gの重量級である。Nikonで言えば、『AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR』の対抗馬である。こちらは710gと高倍率でやや軽いのだ。さらにNikon『D610』のキットズーム『AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR』も比較対象になるだろう。望遠端が85mmになるが重さは465gと半分近く軽量化されフットワークは格段に向上する。
■Design
一言でいえばデザインは渋い。ニッコールレンズの方が派手だ。他のレンズ専業メーカーが金線とか銀線を入れて文字もやたら派手なのに対して今度のSIGMAは実に地味だ。カメラメーカーの純正レンズよりも地味で落ち着いている。強いて言えばキヤノンのレンズに似ている。文字は白でズームリングとピントリングはタテラインの入ったゴムのような素材を使っている。レンズを1周するラインは廃止され、ライカのように丸いバッチにArtラインなら、Aの文字が入っている。Nikonに付けてもCanonに付けても遠目では純正レンズに見えそうだ。派手なレンズがイヤだった人には最適、高級レンズにはラインが不可欠と思っている人には残念かもしれない。
デザインは現代的でクールだが、Nikon『Df』に装着しても違和感はない。