■Introduction
前編ではFoveonセンサーの特徴を説明したが、では実際にどんな写真が撮れるのか。その答を後編でお目にかけよう。まず9月16日発売予定のDIME11月号デジカメ特集に掲載される写真家・渡辺達生氏が撮影した作例写真の別カットを先行公開しよう。渡辺さんは自前の『dp2 Quattro』で撮影に臨むほどのFoveonセンサー偏愛者で、普段はモノクロ専用機としてQuattroを使っているとのこと。その解像度は幅1m50cmにプリントしても余裕だったと語ってくれた。作例はリサイズしてあるが描写力の凄さは充分伝わると思う。
■Special photography
トップの作例を100%等倍で切り出した。産毛のよう細い眉毛の1本1本が見える。髪の毛や肌の柔らかい感じも再現されている。解像度を高めようとしてシャープネスをかけるカメラもあり、何もかもが鋼のように硬くなるが本機にそのような心配は皆無だ
1/1250sec F2.8 ISO800 被写体距離0.5m 中央重点測光
壁の青にオレンジの椅子の色合いと発色が一幅の絵画のように美しい。この写真はスタジオの窓から差し込む自然光だけで撮影された
1/640sec F2.8 ISO800 被写体距離1.4m 中央重点測光
『dp2 Quattro』はモノクロの描写と階調性にも優れている。まるで銀塩フィルムで撮影して印画紙にプリントしたかのような画像が得られる。これはスタジオのドレッシングルームのメイク用照明を使って撮影されたものだ
1/125sec F3.2 +1.3補正 ISO800 被写体距離1.3m 中央重点測光
窓からの自然光のみで撮った写真。光と影の織りなす陰影が肌を立体的に見せている。ワンピースの生地の柔らかい感じと椅子の質感も見事に再現された。ここまでの4点が渡辺達生氏が撮影されたぜいたくな作例写真である。モデルは元SDN48二期生、奈津子さん。本誌には亜希子さんと双子の姉妹ナツアキでの登場となる
1/800sec F3.2 +0.3補正 ISO800 被写体距離1m 中央重点測光