●1冊の手帳が導く夢の物語はいまだ続く
長期的かつ具体的な夢や目標を書き込んだ手帳を、常に持ち歩くことで、仕事にも好影響が出る。「夢や目標を常に意識していると、それに関係する情報が自然と集まってくるようになります。おそらく、単に新聞やネットを見ているだけでも、自分の夢や目標にかかわるニュースに無意識のうちに反応しているのでしょう」
熊谷さんがインターネットと出会ったのは1994年。大きな可能性を感じ、すぐ手帳に「インターネットを研究する」と書き込む。以後、目に留まった情報を消化し、研究を経て、興味はプロバイダー事業へ。その事業を画期的な方法で展開したことが、現在のGMOインターネットグループの礎だ。
手帳術は会社のマネジメントにも活用されている。熊谷さんが使う手帳は、紙のサイズがA5よりも一回り小さいバイブルサイズで、それを会社の共通フォーマットとしている。手帳と中身のリフィルをスタッフに支給するほか、グループの制度や辞令、賞状までリフィルと同サイズにして、すべて手帳で整理できるようになっている。
「フォーマットを統一することで、仕事上の余計なストレスを軽減でき、能率を上げることができます」
GMOインターネットグループには、ほかの会社の社是にあたる、「スピリットベンチャー宣言」があり、それが書かれたリフィルも全スタッフが手帳に携帯。それは、会社の夢を全スタッフが共有することで、同じ方向を向いて仕事に取り組むことを意味する。
「トップがビジョンと、スタッフの行動の価値基準を明確に示せば、ベクトルがひとつになる。それが成長につながるのです」
熊谷さんの手帳は、新しい夢が追加されたり、夢実現のために必要なデータや大事な言葉が書きとめられるため膨張気味。週末は時間をかけて手帳の整理をする。それが頭の整理に繋がり、さらに夢を強く意識する時間になるという。
←「夢」「行動」「思考」をそれぞれ書き込む3種類のリフィルがセットされた『「夢手帳☆熊谷式」スターターパック』。2015年版発売中。
◎各種データは取材当時のものです。