今一番モテモテの男ども。それが『ジャズ紳士』と呼ばれる連中だ!!
「あ~ズージャの好きな人達ね」
バカタレッ! ジャズ紳士は、ジャズのことをそんなクレイジー・キャッツ時代みたいないい方はしない。上品にしかし熱烈にジャズを愛する男ども。それがジャズ紳士なのだ。しかしなぜ、そんなジャズ好きの男がモテるのか? それは最近、ジャズ好きの大人の女性が急増中だからだ。
好きになる異性のタイプといえば、1に趣味が合う人、2に優しい人、3、4がなくて5にエロい人といわれてるくらいだ(編集部注:それおまえだけ!)から、急増中のジャズ好きの女性……ジャズ紳士の対語的に『ジャズ淑女』ですかね、そういう女性たちがジャズ好きの男性に好意を寄せるのは当然の話なのだ。
この話を聞いて、男なら誰でも「じゃあなったろか! オレもジャズ紳士とやらに」と思うところだろう! が、ジャズの世界というのはそう簡単に詳しくなれるもんでもない、ジャズ紳士になるには長年の蓄積が必要なのだ……と思われておりましたが、圧倒的なスピード感でジャズ紳士になれるジャズ紳士養成ギブスともいうべきツールが登場してしまった!!
この春に創刊された『ジャズの巨人』という隔週のCDつきマガジンである。毎号毎号、ジャズ界の歴史に残るプレイヤーにスポットを当て、徹底的に解説、そしてCDで聞かせまくってくれるありがたいコンテンツ。一冊買えば、その号で特集されたジャズの巨人に関しては早くも専門家! 2冊買えば2人に関して専門家! ずっと買い続けていけば、ジャズの全てに関して専門家!! とこういうありがたいことになっているのだ。
ちなみに創刊号がフィーチャーするのは“マイルス・デイヴィス”!! これ一冊で彼の音楽性からウンチクまでが手にとるようにわかる。たとえば、コンナ意外なウンチクだ!
ウンチク・その(1)
『マイルスは実は裕福な歯科医のご子息で、イメージ的には子供の頃、ショーウインドウに飾られたトランペットを物欲しげに眺めて育ったような思い込みがあるかもしれないが、そんなもなァまったくない!』
ウンチク・その(2)
『クラシックの名門、ジュリアード音楽院で音楽の勉強をしている』
さらに永久保存版の『マイルス・デイヴィス相関図』が付録につく! そこにも、『ジミ・ヘンドリックスと競演予定が、ジミヘンの急死でお流れに』なんてことや、『プリンスとの未発表音源が存在する』……なんて使えるネタが満載だ。
さぁもうこれ買ってすぐにでもマイルス・デイヴィスのことを語ってくれ! そしてモテてくれ! もっとモテたければ、あの名曲『枯葉』でおなじみのビル・エヴァンスを特集した創刊2号も買ってくれ!! そこにも使えるビル・エヴァンスウンチクがワンサと載ってるからな。
「『枯葉』っていえば、植木等もジャズ喫茶でよく歌ってたんだよな~」なんだよ、またクレージー・キャッツかよ。あ、でもそれもウンチクだな、あんま使えそうにもないけど。