結論。Google翻訳カメラは使える? 使えない?
日本文学の有名な一文を、Google翻訳カメラのリアルタイム翻訳で訳したものが上記の写真だ(旧仮名遣いや旧字は修正)。右側の日本語を左上に英訳、右側の英語を左下に訳しているのだが、結果は見てのとおり、けっこうひどい。
日本語の英訳は元が現代の文章ではないので、ある程度は仕方がないように感じるが、英語を日本語に訳したときは、最初の一文がまったく翻訳されなかった。
これを、カメラ入力で訳すと、それぞれ以下のようになる。
それぞれ日本語を英語に、英語を日本語に訳したものだが、多少の誤訳こそあれ、かなり高い精度で翻訳されていることがわかる。とくに日本語は古い言葉遣いにも関わらず、しっかりと英訳されていることに驚く。
リアルタイム翻訳は、各国語⇔英語という機能的な制限があるだけでなく、その翻訳精度からも、少し長文になると訳すのには向かないと感じる結果になった。2018年11月現在では、単語を訳す程度には使えるといったところだろう。今後の進化に期待したい。
Google翻訳カメラで便利なのは、カメラ入力に決定!
AR技術を活用し、SF映画の世界を実現しつつあるリアルタイム翻訳。多言語⇔多言語の利用と、翻訳の精度向上にはまだ時間がかかりそうだが、十分に期待できる注目の機能だ。
現時点では訳したい文章をサッと撮影し、すぐに翻訳できるカメラ入力がとても便利で、翻訳精度も悪くない。海外旅行で便利に使えるのはもちろん、まだまだパソコンなどで多い英語のエラーメッセージや、輸入車や輸入製品に添付されている日本語以外の注意文言などを翻訳したいときに役立つだろう。
最近は2020年の東京オリンピックに向けて、来日する外国人も増えてきている。困っている訪日外国人に話しかけられ、言葉がわからなくても、相手がどこから来たのかさえわかれば、日本語の看板や説明文書などをサッと撮影して、訳を相手に示して、助けることもできるはずだ。
「国際化」が叫ばれて久しい中、英語ができなかったり、苦手だったりする人も、このGoogle翻訳カメラ機能を使って、日本語以外の他言語を理解することに挑戦してみてはいかがだろうか? きっと、これまで知らなかった、新しい世界に足を踏み入れることができるはずだ。
取材・文/ねこリセット