「テレビ離れ」がキーワードになって久しい昨今。一方で、オンラインビデオの配信サービスが活況を呈している。世界では既に主流となりつつあるという同サービスだが、日本は世界に比べてどの程度の利用率を記録しているのだろうか?
そこで今回、世界規模で実施されたオンラインビデオに関する意識調査の結果が発表されたので、早速、紹介していきたい。
なお、本調査結果は、「オンラインビデオの状況」について、日本、フランス、ドイツ、インド、イタリア、フィリピン、シンガポール、韓国、英国、米国の約5,000人を対象とした調査から、日本の回答に焦点を当て、グローバルの結果と比較されたものだ。
日本人のテレビ離れが加速、オンラインでのビデオ視聴が伸びる可能性も
テレビ(テレビ放送、ケーブルテレビ、衛星放送)の視聴に毎週どのくらいの時間を費やすかについて尋ねた調査において、日本は「全く見ない」と回答した人が22.2%でグローバル各国の中で最も多いという結果に。日本では、週に4時間未満しか見ないと回答した人が全体の6割を占め、テレビ離れが世界一進んでいることがうかがえる結果となった。
オンラインでビデオを視聴する時間は、世界的にみると年々長くなっている。2018年のグローバル平均は6時間45分/週で、これは昨年よりも1時間長く、2016年と比較すると約2時間半長くなっているという結果に。
オンラインビデオの平均視聴時間を比較してみると、日本人のオンラインビデオの平均視聴時間は5.17時間とドイツに次いで2番目に短いという結果となったが、昨年の世界平均時間に近づいてきている。日本人のオンラインビデオ視聴時間は増加傾向にあり、今後も伸びていく可能性がうかがえる結果となった。
スポーツ実況のリアルタイムストリーミングに強い関心
「遅延がなければスポーツのオンラインストリーミングを視聴するか」を尋ねた調査では、グローバル全体で約6割(59.5%)の回答者が「視聴する」と回答。日本では44.4%が「視聴する」と回答し、スポーツ実況のオンラインストリーミングに対して、遅延対策へのニーズが高いことが明らかに。
スマートテレビでオンラインビデオを視聴するのが世界の主流だが、日本では多様なデバイスを活用
オンラインビデオを視聴するためのデバイスとしてグローバルで最も多かったのは、スマートテレビ(ネット対応テレビ)だった。日本では、スマートテレビでオンラインビデオを視聴していると回答したのは11.0%にすぎず、グローバル各国と比較すると突出して低い値となった。一方で、Fire TV、Apple TV やゲーム機で視聴していると回答した人はグローバルの平均よりも多く、多様なデバイスを活用していることがうかがえる結果に。