そろそろ愛車のタイヤも古くなり、溝も残り少なくなってきたので履き替えたい。この次は、もっとグリップのあるスポーティなタイヤにしたいとか、いやいや転がり抵抗の少ない燃費にいいタイヤにしたいなど、あれこれ迷っているのもまた楽しいひとときではないだろうか。
タイヤを換える場合、もしインチアップなどの変更をしないのであれば、基本的にいままでと同じ数値(サイズ)のものを選べばいいというのはご存知のことだろう。ただ、このサイズ表記は、単にタイヤの大きさだけでなく、安全性や走行性能などにも関わってくるため、その意味を覚えておくとタイヤ選びの参考になる。
タイヤサイズの確認の仕方
タイヤサイズは、タイヤ本体のサイドウォール(側面)に写真のように表記されている。そのほかにもメーカー名や製造年週など、サイドウォールには様々な情報が表記されているが、タイヤサイズについては「205/45 R 17 88V」という部分になる。
ちなみに、運転席(輸入車の右ハンドル仕様は助手席の場合も)のドアを開いた内側の車体部分にも、指定空気圧とともに指定タイヤサイズが記載されたシールが貼られている場合が多い。もし中古車などを購入して、前オーナーがインチアップなどタイヤサイズを変えている場合は、こちらで新車装着時のサイズが確認できる。
さて、タイヤサイズ表記の表すものについて、それぞれの内容について簡単に解説してみよう。
(1)タイヤ幅
タイヤ幅とは、サイドの文字や飾りを除いた横幅(断面幅)のことで、単位はmm(インチ表示の場合もある)。路面と接する部分であるため、この数値が大きいと接地面積も増えて、安定感やグリップ性能も高くなる。その反面、転がり抵抗が増えて燃費が悪化したり、ハンドルの操作が重くなるなどのデメリットもある。
(2)偏平率
タイヤの偏平率とは、タイヤの断面幅に対する高さの比率を表す数値。いわゆるタイヤのサイドウォールの厚みを表す数値で、単位はパーセント。この扁平率が大きいほどサイドウォールが厚くなり空気量も増えるため、 乗り心地がよくなる。ただ安定性が低くなるため、運動性能を求めるなら扁平率の小さいほうが有利。
(3)タイヤ構造
「R」はタイヤの構造で、ラジアルであることを示していて、ほかにもバイアス構造のタイヤもあるが、現在の乗用車ではほとんどがラジアル構造を採用。
(4)リム径
リム径とは、ホイールのタイヤを組み込む部分の直径の長さを指し、ホイールのサイズを表す数値であるとともにタイヤの内径と同じこと。表示単位はインチで、よくタイヤの大きさを表現するのに用いられる「17インチのタイヤを装着」というのは、この部分のことを指している。
(5)ロードインデックス(LI)
ロードインデックス(LI)は、規定の条件下でタイヤ1本で支えることができる最大負荷能力を示す指数のこと。それぞれの指数に対する負荷能力については、以下の対応表を参考にしてもらいたいが、例えばロードインデックスが「88」であれば、最大負荷能力が「560kg」まで。
単純に考えて、クルマのタイヤ4輪×560kg=2,240kgというイメージになるのだが、メーカーとしては、クルマの総重量に加え最大定員数×体重、荷物の重量、道路状況における負荷の変化など様々な条件を考慮して設定している。もしタイヤを換える場合は、安全のためにも指定タイヤのロードインデックスと同じか、それ以上のものを選ぶ必要がある。
(6)速度記号
速度記号(スピードレンジ)は、タイヤが規定の条件下で走行できる最高速度をアルファベットで示している。その対応表が以下のとおりなのだが、例えば「V」であれば、最高速度が「240km/h」までとなる。
※ZRは速度カテゴリー
そして最後に、タイヤの製造年週の見方だが、2000年以降に製造されたタイヤでは、写真の「3113」のように4ケタの数字で製造年週を示している。最初の2ケタの数字「31」は31週を、後の2ケタの数字「13」は2013年を意味する。
つまり写真のタイヤは、2013年の7月下旬から8月上旬に製造されたということになり、すでに5年以上経過している。タイヤは、見た目に溝が残っていて大丈夫なように見えても、ゴムが劣化して本来の性能を発揮できないこともある。あまり古いタイヤは、安全のためにも早めに交換することをおすすめする。
文・撮影/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)
クルマは走らせてナンボ!をモットーに、どんな仕事にも愛車で駆けまわる日々。クルマのほかにもグルメやファッション情報、また小学館Men’s Beautyでは、男性に向けた美容・健康法、化粧品情報なども発信。