ぬるいお茶を出すのは失礼にあたる?
特別なお茶(つまりちょっと高級なお茶)は目上の人やお客さまにお出しする機会も多いと思うのですが、そういったお茶にこそ、なぜかモウジが浮き出る理由も、少しわかって頂けたかと思いますが…
「ほこりのようなものが浮いている時は取った方がいいのでしょうか」という質問と同じくらい聞かれる質問「ぬるいお茶をお客さんに出すのは失礼でしょうか」に関しても少しだけ触れておくと…
上級なお茶の代表格「玉露」はもちろん、新茶など若い芽を使った上級なお茶は比較的お湯の温度を下げて淹れることがおいしく淹れる秘訣ですよね。
お茶によっては50~60度まで下げて淹れるお茶もあります。
結構…ぬるいと感じるかもしれません。
でも冷ましたお湯で淹れるからこそ、引き出せる「甘さ」や「旨み」が感じられるはず。
全然失礼にはあたりません。
全部が全部というわけではないかもしれませんが、ぬるいお茶が出てきた時には「これはもしや…」と味わってみるのも楽しいですね!
そして「これは!!」と思ったら…「おいしいお茶ですね!」なんて気持ちを伝えたら「お茶にこだわっていること、気づいてもらえたー!」と相手の喜ぶ顔を見ることができるかもしれません。
今日から急須で淹れたお茶が出された際には、表面を少し光に照らしながら「モウジ」の存在とお湯の温度にも気を払って、もてなしてくれた相手に「ありがとう」の気持ち、是非、伝えてみてくださいね。
【今日の一杯】山本山の「芽茶」
煎茶の仕上げ加工の際に出る芽や茎の部分をブレンドしたという芽茶。
丸い感じのお茶の葉もかわいい。渋みもありながらコクもあり、2煎目も3煎目も楽しめてお気に入り。
文/茂木雅世(もき まさよ)
ティーエッセイスト/煎茶道 東阿部流師範/日本茶アーティスト
お茶好きがで高じて、2009年、仕事を辞めてお茶の世界へ。2010年よりギャラリーやお店にて急須で淹れるお茶をふるまい始め、現在はお茶にまつわるモノ・コトの企画・商品プロデュース・コラム執筆やメディア出演などの活動を行っている。FMyokohama「NIPPON CHA茶CHA」では最新のお茶情報を毎週発信中。
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