若い年代ほど、相手と仲良くなるのに「LINE」などのメッセージアプリを使用!
「友達と仲良くなるにはどんなコミュニケーションツールを使うか?」という質問に対しては、全世代で「直接対面で話す」が最も多い結果に。それに次いで、「LINEなどのメッセージアプリ」といったデジタルツールによるコミュニケーションが多く、その割合は平成世代で31.5%と、40~50代の10.1%と比較すると、約3倍となっている。デジタルネイティブな平成世代ほど、友人とデジタルコミュニケーションを通じて仲良くなることが判明した。
「別れ話」もLINEで!?10代女性の4人に1人、10代男性で5人に1人が、恋人との別れ話はメッセージアプリで
「恋人と別れるならどんなコミュニケーションを使うか?」という質問に対して、平成世代の19.8%がLINEなどのメッセージアプリを使うと回答し、特に、10代女性で約4人に1人、10代男性で約5人に1人という結果に。これは他の世代と比較しても高い割合で、10代を含む平成世代は、言いにくいことを相手に伝えるときにメッセージアプリを使用する傾向にあるのか、恋人と別れるときでさえ、「LINE」などを使用している実態が明らかとなった。
若い年代ほど、人と仲良くなるにも、恋人と別れるにも、「LINE」などのメッセージアプリを使用する割合が高く、デジタルコミュニケーションが浸透していることがわかる結果となった。子どもの頃からスマートフォンやインターネットなどに触れてきたデジタルネイティブな平成世代ほど、コミュニケーションがデジタルシフトしている傾向が見受けられる。
<早稲田大学 国際教養学部教授 森川 友義氏 コメント>
ネット・SNSの利用の当たり前化で、若者はデジタル世界に新たな自分像を作っています。その自分像は盛りすぎ写真やインスタ映え、多数のSNSアカウント所有で形づくる自分の理想形です。承認欲求を満たすため、ネット・SNS利用は増加し、「デジタルの自分が本当の自分」となってしまうケースもあります。
そんな中で、リアル世界で外見・内面に自信を持てないことにより、特に若者で顕著に生じてきているのが、「視線耐性」の低下です。そういった背景で、視線耐性が高いか低いかを決定する要因は、以下の3点になります。
・デジタル依存度(=デジタルメディア接触時間)
・対人経験度(=人と話す経験値)
・自信(=持って生まれた自信と成功経験の積み重ねによる自信)
たとえば、デジタル依存度が低く、対人経験が豊富、リアルでの自分に自信を持っている方は視線耐性が高い傾向にあります。他方、デジタル依存しており、人ともあまり接せず、リアルでの自分に自信が持てない方は、視線耐性が低い傾向にあると言えるでしょう。
その「視線耐性」の低下に対しては、リアルとデジタルとのギャップを埋めることが大切。そのために意識すべきは「インスタ映え」ならぬ「リアル映え」です。リアルの自分に磨きをかけることで、デジタル上での理想像に自分を近づける。そのことが、外見、内面的な本人の自信につながり、対人関係も円滑にするでしょう。
・早稲田大学 国際教養学部 教授 森川 友義(もりかわ とものり)氏
外資系銀行、総合商社、国連専門機関、外務省国連代表部、米国アイダホ 州立ルイスクラーク大学助教、オレゴン大学客員准教授、早稲田大学国 際教育センター准教授等を経て、2004年より早稲田大学国際教養学部 教授。「生物学」「経済学」「心理学」の視点から総合的に研究する「恋愛学」という独自の学問を確立。恋愛は「見た目、声、においといった五感的魅力が重要である」と説いている。恋愛学講座は受講生があふれるほどの人気講座。
【調査概要】インターネットリサーチ 調査時期:2018年8月実施 調査対象:15歳~59歳 男女 n=1,091
出典元:株式会社マンダム
構成/こじへい