さまざまな操作で使えるGoogleアシスタント、FeliCaも便利
Google自身が手がけているだけに、Googleの各サービスとも密接に連携する。たとえば、本体を握るだけでGoogleアシスタントが起動する。これはアクティブエッジと呼ばれる機能。HTCの端末にも同じような機能が搭載されていたが、Googleアシスタント限定という点を除けばほぼ同じものだ。Googleは今年になってHTCの一部を買収しているが、そのノウハウが生かされていると見られる。
音声で話しかけなければならないため、あまり屋外で使えないのは残念だが、サッとGoogleアシスタントを呼び出せるのは便利。欲をいえば、HTC端末のように、他のアプリや機能を割り当てられるようにしてほしかった。感度は調整できるため、間違って呼び出すことが多い場合は、設定を変更しておいた方がいいだろう。
また、別売のPixel Standに置くと、充電しながらGoolge Homeのように、使うことができる。これもGoogleアシスタントを応用したものだが、寝室などに置いておけば、話しかけるだけで調べ物ができる。ルーティーンにも対応しているため、朝起きた際に「おはよう」と話しかけ、必要な情報をまとめて表示するといったことも可能だ。
付属のPixel Standに置くと、Google Homeのように使える
結果が音声だけで返ってくるGoogle Homeとは異なり、情報がディスプレイに表示されるため、使い勝手はスマートスピーカー以上。小型のスマートディスプレイと捉えることもできる。ちなみに、他のQi対応チャージャーに置いてみたが、充電ができたのみで、Googleアシスタントは利用できなかった。専用のチャージャーが必要なのはコスト的に見ると残念だが、スマートフォンの活用の幅が広がるという意味ではうれしい機能だ。
結果がディスプレイに表示されるため、音声だけより分かりやすい
さらに、Pixel 3/3 XLは、日本版のみFeliCaに対応しており、おサイフケータイやGoolge Payも利用できる。SuicaやiDなどの決済は、日々の生活と密接に連携しているだけに、一度使うと手放せなくなる。おサイフケータイは日本独自仕様だが、ここにGoogleが積極的に対応してきたことからも、Pixel 3/3 XLにかける意気込みが伝わってくる。
Pixel 3/3 XLは、GoogleのAIをフル活用したい人にとって、オススメの端末だ。ただ、デザインがシンプルで、値段なりの高級感があるのかという点には疑問符もつく。ハードウェア的な新しさもあまりない。ハードウェアとAI、ソフトウェアのどちらを重視するかで、評価が変わってきそうな端末といえるだろう。
【石野’s ジャッジメント】
質感 ★★★★
ディスプレイ性能 ★★★★★
撮影性能 ★★★★★
音楽性能 ★★★★
UI ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★★
バッテリーもち ★★★★
持ちやすさ ★★★★
*採点は各項目5点満点で判定
取材・文/石野純也
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。