糖質オフではこんな体感変化も!
水野先生によれば、糖質オフ生活を続けていると、次のような体感の変化もあるという。
「味覚の変化と共に、やはりみなさんが一番驚くのが『満腹感の違い』です。現代人、特に肥満傾向のある人は、“血糖値が上がった”感覚が満腹だと思っています。このため、糖質を控えた場合に、“お腹にものを入れて満腹”という正常な満腹感を感じるのに、慣れるまではしばらく時間がかかります。肥満傾向のある方ほど、血糖値上昇の感覚を求めてしまうからです。健康のために、ぜひ満腹感の違いに慣れて欲しいと思います。
やせている方は、正常な満腹感を知っている方が多いです。こういう方は、糖質を控えると、ケトン体が増えることで、空腹感をあまり感じなくなるため、さらに『食べなくても良いんだ』と思ってしまいます。その結果、さらに食事量が減り、やせてしまいます。この場合、充分なタンパク質と、たっぷりとした脂質を摂取することで、体重減少なく糖質を控えられます」
糖質オフ生活というと、金銭面や忙しさで、なかなかむずかしいと感じがちだが、いざはじめてみると、意外なうれしい変化が体感として得られることもあるようだ。もちろん、感じ方には個人差はあるが、糖質オフの食生活をはじめるきっかけにはなるだろう。
ちなみに、水野先生によれば、味覚の変化が起きるのは、基本的に「1日3食」糖質を食べなかったときのことで、「1日2食」は人それぞれ異なり、「1日1食」では変化は起きないという。ぜひ参考にしてみたい。
(監修・取材協力)
水野 雅登(みずの まさと)先生
1977年愛知県生まれ。1997年杏林大学医学部医学科入学。卒業後、同院高齢医学科に所属。東京警察病院を経て、2006年より友愛病院に勤務し、2007年より副院長就任。2015年より講演活動を開始。講演会の様子をYouTubeにアップしている。両親とも糖尿病家系で、精力的に糖尿病治療に取り組む。100単位に及ぶインスリン注射も不要となった実績を持ち、関東一円から外来患者が訪れている。
http://www.mizuno.tokyo/
取材・文/石原亜香利
※記事内のデータ等については取材時のものです。