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座ったままで料理ができる車いす対応キッチン「ウエルライフ」が30年ぶりにフルモデルチェンジ

2018.10.17

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

車いすユーザーの不満や要望を反映し商品を刷新

 座ったままで使いやすい車いす対応キッチンLIXIL「ウエルライフ」が、30年ぶりにフルモデルチェンジをして10月1日より新発売された。

「弊社のコーポレート・レスポンシビリティ(CR)戦略の重点的な3つのテーマのひとつが多様性の尊重で、高齢者、障がい者の方々の生活の質の向上に貢献するというもの。社会的責任と、2年後に控えた五輪・パラリンピックのゴールドパートナーでもあり、このタイミングで商品を刷新した。

 車いす生活者は個々によってさまざまなケースがあるため、作る側も車いすの方を理解しておらず、最初はどこを目指して作るのかと迷っていた。幸い、我々の組織の中に車いすの方も使える公共トイレや洗面化粧台を商品化している『ユーザビリティ研究所』があり、研究所からのデータ、知見をかき集めて開発を進めた。

 一番こだわったのは座ったままの使いやすさで、製品の設計もゼロから作り直した。車いすに座った状態で、つま先が何センチ入り込むことができるかなどユーザーさんのサイズを測定して要求される寸法周りを最初に決め、ユーザーさんのニーズを満たす設計をすることからスタート。開発期間は2年ほど要した」(キッチン商品部 商品企画グループ主査 小島 淳二さん)

 開発の段階で、車いす生活者のキッチンの調査やモニターテストを重ね、モニターには実際に調理をしてもらうなどの検証も行った。車いすユーザーでも生活状況は多様で、旧型「ウエルライフ」を使用している人、通常のキッチンを改造、またはそのままで使っている人など、現状のキッチンの不満や要望を徹底的に調査し、試作段階でもモニターの意見を確認した。モニターテストではチェック項目約20個のうち、11項目は再検討ということになったという。

「外部、社員モニターの11名の方々に協力を仰いだ。社員モニターの一人は旧型ウエルライフ使用者で、栄養管理に気を使うため自身で調理することが多いということだったので、実際に試作品でも調理を行ってもらった。また、車いす生活者でも家で調理をするときは車イスを使わず事務イスを使っているという方もいる。体格差もあるので複数のモニターで検証した。アンケートを取ったり、実際に車いすを使っている方の自宅にお邪魔して調理している様子を見たりして、ある程度の形になってから8名のモニターをお願いして新旧の比較、試作品で確認という作業を繰り返した。

 車いすの方でも年齢や状態は千差万別で、手の筋力が衰えている方だと、通常のレール式の引き出しが重すぎて引き出せないこともある。試作品の段階で不快に感じるという方が数名いらっしゃったので改良をした。健常者が気づかないことでも車いすの方が不快に感じることが多いと、次第に料理からも遠ざかる結果になってしまうため、出来る限り実際の使用者の感覚に寄り添った」(キッチン商品部 デザイン・先行技術推進室 生活研究チーム泉 明里彩さん)

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