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【意外と知らないバイクのこと】「立ちゴケ」ってなぜ起きるの?

2018.10.14

A:今のバイクは支えなしで自立できないからです

立ちゴケ。ああなんてイヤな響きなんでしょう。立ちゴケ。バイクが停まっている時の転倒、立ちゴケ。見たくもないし聞きたくもない言葉、立ちゴケ。それでもこうしてしつこく「立ちゴケ」と書くのは、いつ、誰の身に起きてもおかしくない事態だからです。

なぜかって? タイヤがふたつしかないバイクは、支えなしに静止自立ができない乗り物だからです。スタンドを払えば、あとはあなたの足しか頼るものはありません。何らかの原因であなたの足の支えを失えば、バイクはガシャン! 倒れるしかないのです。

では、どうしてあなたの足はバイクを支えないのでしょうか? 大好きな、大事なバイクなのに……。立ちゴケには、大きく分けてふたつのパターンがあります。ひとつは、完全に停車している状態での立ちゴケ、もうひとつは、走行〜停止、あるいは逆に停止〜発進する際の立ちゴケです。

停車状態での立ちゴケは、多くの場合、気の緩みによって発生します。バイクにまたがって足を下ろすと分かるのですが、たいていステップなどによって邪魔されて、すんなりと接地できません。また、自分の足の出し方がおかしなこともあり、無理な角度とか、変な状態でバイクを支えていることが、よくあります。

たいていは足を下ろす際に気を付ければ回避できるのですが、つい、無理にバイクを支えている時があるのです。すると、「ちょっと体を動かそうとした」「バイクのどこかを触ろうとした」といった本当に些細なきっかけで、足はバイクを支えるだけのパフォーマンスを発揮できなくなり、ガシャンです。

また、接地面のコンディションにも注意を払う必要があります。信じられないほど小さな石や、信じられないほどわずかな傾斜でも、足はすぐにバイクを支えることを諦めようとします。足を接地させる時は、「この足でバイクを支えるんだ!」「この足なしでバイクは立っていられないんだ!」と強く意識しながら、足の角度に無理がないか確認し、接地場所の状態に注意し、本気でバイクを支えましょう。

停止時や動き出しでバランスを失いやすい

バイクが走行〜停止、または停止〜発進する際の立ちゴケは、動から静、静から動へという移り変わりの瞬間に起こります。いずれもバイクの状態が大きく変わる時=不安定になりやすい時ですので、細心の注意が必要です。

走行〜停止時の立ちゴケを防ぐには、完全に停止するその瞬間まで気を抜くことなく、ていねいにブレーキをかけることが必須です。イメージとしては、減速に合わせて強かったブレーキを徐々に徐々に弱め、最終的にはブレーキゼロになると同時に完全停止する、といったブレーキを狙います。また、停止直前には自分の足を着く位置をしっかり見極め、「あそこに足を着くんだ!」という強い意志を持つことが肝要です。

そして地面の斜度などを確認しつつ、バイクを傾ける場合は必ず足を着く側(たいていは左足で着地するはずです)になるように。左足を出しつつ右にバイクを傾けてしまえば、支えはありませんから、そりゃあ立ちゴケしてしまうに決まっています。

BMW Motorradでは、正規ディーラーで新車を購入した人を対象に「立ちごけ補償サービス」を提供している。

なお、立ちゴケ防止を優先するなら、クラッチを若干早めに切ってしまう手もあります。バイクの車種によってはエンジンの低回転域でギクシャクした挙動を示し、立ちゴケを誘発する場合もあります。そういったケースでは早めにクラッチを切り、ブレーキだけで制動するようにすると、スムーズな停車が可能になります。なお、この方法ではエンジンブレーキが効かなくなるので、あくまでも「停止直前」の範囲内での話です。

停止〜発進の際は、ていねいにクラッチを操作することが必須です。前方に安全な間隔が確認できる場合は、半クラッチを使って十分に加速力を発揮する程度にエンジン回転数を上げましょう。低速度で、なおかつ回転数が不十分だと、クラッチがつながった瞬間にガクンとエンジンストールし、バッタリと立ちゴケという憂き目に遭います。前方が詰まっている場合は、エンストの恐れがある回転域を多用することになりますので、ひたすらていねいな半クラッチを心がけてください。

以上で立ちゴケがすべて防げるわけではありません。でも、立ちゴケ撲滅を切に願う者としては、防止策の一端を書かざるを得ませんでした。長文失礼いたしました。とにかく細心の注意を払い、油断せず、ていねいに操作することが大切です。

立ちゴケしないバイクも開発されている。ホンダが2017年の東京モーターショーに出展した「Honda Riding Assist-e」は、ロボット研究で培ったホンダ独自のバランス制御技術を二輪車に応用した実験車。マシン自体がバランスを保つ。

文/高橋 剛

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