最新炊飯器10機種テスト、まずはパナソニックのフラッグシップモデルからスタート! 同社炊飯器の真骨頂、話題の〝Wおどり炊き〟の実力やいかに?
■炊飯器試験官
家電ライター・原口りう子さん(右)
20年以上もモノ雑誌の編集&ライティングに携わる大ベテラン。今回は、主に炊飯器のメニューや操作性を厳しくチェックした。
寿司職人・西條慎一さん(中)
東京・目黒に店を構える江戸前寿司の老舗「多喜寿司」の3代目。シャリにうるさい大将の舌を納得させる炊飯器はあるのか?
五ツ星お米マイスター・小池理雄さん(左)
東京・表参道で88年続く米店「小池精米店」の3代目店主。的確なコメントに定評があり、DIMEの炊飯器特集ではレギュラーに。
パナソニック『スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器 SR-VSX108』
オープン価格(実勢価格約11万円)
〝Wおどり炊き〟に加え、鮮度が落ちた常温保存米をセンサー感知、炊き方を自動調整して新米ご飯のようなハリと甘味を甦らせる〝鮮度センシング〟を新搭載。鋳物マット調のシックな質感も魅力だ。
サイズ:W275×D361×H234mm、約7.8kg
炊飯容量:0.5〜5.5合
炊飯時間:48分(無洗米・銀シャリ・ふつう)
大手メーカーならではの実力と安定感
原口 一番手はパナソニック。早速、感想をお願いします。
小池 粒が大きく、ふっくら、ツヤのある炊き上がりで、まずは見た目と香りから食欲をそそられます。全体としてバランスがとれた平均点以上の味わいなので、後は炊き分け機能を駆使して自分好みにどうカスタマイズするか、かな。
西條 炊きたての香りがふくよかで粒立ちもよく、旨味、甘味もしっかりと感じました。
原口 私は自宅でも同社の炊飯器を使っていますが、最新モデルはワンランク上の味わいです。
小池 ご飯のおいしさのひとつに〝おねば〟がありますが、コレを逃さず、蒸らし工程で戻す仕組みもおもしろいと思います。
原口 〝うまみ循環タンク〟ですね。コレと、スチームを発生させる水タンクは、他社にはないパーツで、内釜やフタと合わせてお手入れが必要。初めてだと戸惑いますが、ただおいしさに関わると思えば……ね。
西條 私も家で使うなら、迷わず、コレを選びますね!
大火力×可変圧力の〝Wおどり炊き〟
IH切り替えによる熱対流と可変圧力でお米を激しくおどらせるとともに、220℃のIHスチームで甘味と旨味を閉じ込め、ハリのある銀シャリに炊き上げる。
高温スチームで旨味を包み込む
炊飯前に、本体内側の水容器に水を注入。この水がIHヒーターで加熱されて最高220℃のスチームとなり、高速噴射。ご飯の旨味とハリを引き出す。
旨味のもと、おねばを逃さない!
ご飯を炊き上げる工程で出る米の旨味成分、おねばを操作パネル奥の〝うまみ循環タンク〟に蓄積。蒸らし工程時に戻すことで、お米の旨味をアップさせる。
炊き上がり評価
●見た目の存在感はバッチリ!
粒が大きく、ぷっくりして、ハリ、ツヤもある。甘味も引き出されていてコクも感じる。おねばはあるが、ややねばりが足りないという声も。
〜ダイヤモンド竈釜〜
[使用モード]無洗米・銀シャリ・ふつう
[炊飯時間]48分
IHを最大限に生かす素材を組み合わせた内釜。底には対流を促す凹凸加工も。
〈KOIKE’S REVIEW〉★★★★☆
粒がしっかり立ち、適度な硬さもある。バランスはいいが、深み、コクがいま一歩かな。
〈SAIJYO’S REVIEW〉★★★★★
炊き上がりの香りに感動。粒立ちがよく、噛むほどに口に甘味も広がり、旨い!
〈HARAGUCHI’S REVIEW〉★★★★☆
ツヤツヤとしていて甘い香りが広がる。洗練された味わいで料理を選ばなそう。