●TRI PHONIC
2012年に設立されたスピーカーメーカーA&Cオーディオのスピーカーシステムのブランド。社名はウィリアム・モリスの美術工芸運動(Arts and Craft Movement)にあやかって命名された。音離れ、マッシブ感、仮想現実を両立、実現したスピーカー作りを追求している。小型2Wayでスピード感と量感を備えた中低域を再生。今回、新製品の6cmフルレンジを使った超小型スピーカー『Evangelist-061』の試聴もおこなわれた。
両端に『Jupiter-132』、その内側が家具工房KASHOとのコラボモデル『Hippo-102KS』、そして桧スピーカー工房のAudifill『Concept-SOLA』が並ぶ。右下の小さいのスピーカーが『Evangelist-061』である。
『Evangelist-061』は全16色が選べる。色によって価格が違い和モダン色の黒は13万8000円(ペア)。他の色は1万円プラス、パール色は2万円プラスになる。6cmフルレンジとは思えない低音の量感が魅力。ニアフィールド型だがかなりの音量が出せる。
●Hasehiro Audio
真空管アンプと相性がいい高能率なバックロードホーンのキットと完成品を販売しているスピーカーメーカー。二次曲線のエクスポネンシャルホーンを実現した独自の積層式エンクロージャーを採用している。普通なら難易度の高いバックロードホーンのキットをネジ止めだけで完成できる。完成後も板を増やすことで他のスピーカーユニットに対応可能。箱鳴りがなく量感ある低音再生と音場感の良さが特徴。コスパも良い。
●FAL
国産平面型フルレンジドライバーFLATを使ったスピーカーシステムとパワーアンプを製造販売するメーカー。20年掛けて完成されたフラットドライバーは『C60 N 50ネオジューム』が能率95dB、『C90 N 50ネオジューム』が97dBと高能率で出力2.5Wで鳴らせるため真空管アンプに最適なのだ。ハイスピードな低域、高解像度で明確な音像定位、音場感の良さがポイントだ。
●リアル音響工房
http://www.eonet.ne.jp/~realon/
振動板のないプラズマツイーター『Realon MK-3』45万円(ペア)を製造するガレージメーカー。他にもコンデンサー型ツイーターキット『CT-3A』1万5000円とか小型真空管アンプ『MINI POWER』5万5000円などを販売。製品は全て30年の実績を持つエンジニアの手作りで製造されているという。1978年に創立、その後、業務を停止するが1997年に復帰を果たす。プラズマ型ツイーターは世界的に見ても珍しく、振動板がないため究極のハイスピードを実現できる。本機は真空管増幅方式を採用している。その音は特殊な方式ににもかかわらず、拍子抜けするほど自然で違和感なく聞こえた。
プラズマ放電のための電極部分だろうか、残念ながら終了時間ギリギリだったので話が聞けなかった。次回は余裕を持って取材に臨みたい。
写真・文/ゴン川野