Accident
コンデンサーを交換して音を出していると、3分ぐらいで左チャンネルから音が出なくなりアンプが発煙、そして焦げ臭いニオイまで! 地味な煙なので高価なコンデンサーがパンクしたのではなさそうだ。電源を落として裏ブタを開けてみると、左から2番目の出力管のグリッド抵抗が焼け焦げていた。イモハンダした覚えはないが、コンデンサー交換が原因と思われる位置である。Amazonで焼けたカーボン抵抗1本買おうと思ったが、馬鹿高いのでやめて、秋葉原の秋月電子通商で耐圧1W、1kΩを100本大人買いした。と言っても200円。これであと99回失敗しても心配ない。
コンデンサー周りの配線を再確認するも特にまずい所は発見できず、とりあえず焦げた抵抗を交換、ハンダ付けし直した。電源を入れて電圧を再度、マニュアルに従って測定。+B1と+B2電源の電圧が以前より高くなった。もちろん標準値内の数値だ。問題なさそうなので、裏ブタのネジを全て締めてカスタマイズ完了。
左から2番目の出力管のグリッド抵抗が焼け焦げていた。原因はイモハンダに違いない。
秋月電子で、他にも使いそうなカーボン抵抗を購入。500本買っても1000円なのだ。
Impression
それで、結局、JENSENのカップリングコンデンサーの音はどうなのかと言えば、交換した直後は、音が硬くなり、響きが減る、低音の量感が減る、と散々な音に聞こえる。オイルコンは音質向上するまでエージングが必要であり、特にJENSENは最低でも20時間、まあ100時間は必要と言われているため、交換したばかりでは音が悪くなったとしか思えない状態になる。作ってすぐいい音で聞きたい人は付属のコンデンサーを使った方がいいだろう。まあ、直ぐにいい音に聞こえる場合もあるが、思い込みによるプラシボー効果かもしれない。
10時間ぐらい鳴らした印象は、『SV-P1616D』の透明感が増して、高域が若干、ウエットになった。カスタマイズすれば効果は速攻で現れるのが普通だが、カップリングコンデンサーの交換は、カスタマイズしている時間よりも、その後の音質変化を楽しむ時間の方が長いという、お得感のある改造なのだ。私もこれからが楽しみである。
写真・文/ゴン川野