■連載/文具ソムリエール菅 未里の「誘惑文具」
Q:ガラスやプラスチックにも書けるボールペンがあると便利なのですが、ありませんか?
A:実は、あります。パイロットの「マルチボール」です。
一見何の変哲もないこちらのボールペンですが、「マルチボール」の名の通り、ガラスにも、金属にも、プラスチックにも文字を書ける、恐るべきボールペンです。このように、ラミネートフィルムにも書けますよ。ポップにもさっと文字が書けるので、お店だと特に使い勝手がよさそうです。
色素が膜状に残る
どこにでも文字が書ける秘密は、新開発の「Mインキ」にあります。インクの水分が蒸発する際に、残ったインクの色素が膜状に固まり、筆記線として残るのです。
字は消しゴムで消せる!
しかし、素晴らしいのはそれだけではありません。なんとこのインク、インクが浸透しないラミネートなどの「非浸透面」なら、書いた字を消しゴムで消せることがあるんです。メーカーは推奨していませんが、重要な裏技です。
ただし、消せるかどうかは、実際に試さなければわかりません。まずは、消せなくても問題がない場所で試してからにしてくださいね。
何にでも書(描)ける、夢のボールペンです。歯ブラシや共用冷蔵庫のペットボトルに持ち主の名前を書くとか、気分転換にマグカップに絵を描くとか、仕事から遊びまで、さまざまな使い方ができそうです。
文/菅未里
構成/佐藤喬
撮影/干川 修