文字盤も追加されソフトウェアも一新、転倒検知もできて安心
本体のディスプレイが大型化したことに合わせ、新たな文字盤も加わっている。「INFOGRAPH」がそれだ。この文字盤には最大8個までのコンプリケーションを設置することができ、さまざまな情報を一目で確認できる。サイズアップしたとはいえ、やはりApple Watchはスマートウォッチの範疇に入る製品。タップやスクロールなしで操作できるのであれば、その方がいい。
Apple Watch Series 4専用の文字盤である「INFOGRAPH」
このように考えると、ディスプレイサイズの拡大に合わせてINFOGRAPHを用意したのは、合理的な考え方といえるだろう。コンプリケーションには「UV指数」「アクティビティ」「アラーム」「カレンダー」「ストップウォッチ」「タイマー」「トランシーバー」「バッテリー」「日付」「風」などなど、さまざまなものを設定できる。情報を一覧できるだけでなく、Apple Watchのポータルにもなる文字盤といえるのだ。
ただし、初期設定のままだと、どうしても情報量が多くなりすぎ、色数も増え、ゴチャゴチャとした印象を受けることもある。その場合は設定で一部のコンプリケーションをオフにして、見た目を調整しておくといいだろう。カスタマイズ性が高いのも、INFOGRAPHの魅力だ。
情報量を減らしたいときは、コンプリケーションの一部をオフにするとよい
とはいえ、筆者はApple Watchで情報を取捨選択できることに魅力を感じており、Apple Watch Hermesを購入したという理由もあって、エルメスの文字盤を使っている。もちろん、他の文字盤もフォントや文字の配置などがSeries 4のディスプレイに合わせて再設計されており、より見栄えがよくなっていることは付け加えておきたい。また、Apple Watch Hermesのみ、INFOGRAPHなど、他の文字盤でもオレンジ色の専用色を選択できる。こうした細かな差分があるのも、購入者にとってはうれしいポイントといえるだろう。
センサーとソフトウェアの合わせ技で、転倒検知に対応しているのもApple Watch Series 4の売りの1つだ。転倒検知は実際に人間が転ぶシミュレーションを何度も重ねたようで、ベッドに飛び込む程度では反応しなかった。幸いにもApple Watch Series 4をつけ始めてから転んだことはないので、この機能が反応したことはないが、いざというときに緊急通報してくれるのは安心できる。
転倒検知は65歳以上のユーザーが使うとデフォルトでオンになっていることから、高齢者向けの機能だと思われるが、若くても、雨の日に滑って転ぶようなケースは十分考えられる。せっかくの新機能を使わないのももったいないので、オンにしておいた方がいいだろう。また、緊急通報と同時に、親族などに電話や位置情報を発信するため、メディカルIDを設定しておくこともオススメしたい。
転倒検知は65歳未満だとデフォルトでオフになっている。ぜひオンにしておきたい機能だ
FeliCa/NFC、eSIMと機能を追加してきたApple Watchだが、Series 4でデザインも刷新し、より“すき”がなくなった印象を受ける。ディスプレイが大型化して情報を手首で受けるデバイスとして使いやすくなっただけでなく、転倒検知が加わって、いざというときの見守りツールにもなりそうだ。デザインもよく、これまでスマートウォッチを敬遠していた人にもぜひ使ってほしい1台といえる。
【石野’s ジャッジメント】
質感 ★★★★★
ディスプレイ性能 ★★★★
音楽性能 ★★★★
UI ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★
バッテリーもち ★★★★
装着感 ★★★★★
*採点は各項目5点満点で判定
取材・文/石野純也
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。