■連載/石野純也のガチレビュー
9月12日(現地時間)に、米クパチーノでアップルが発表した新製品群の中で、もっとも目覚ましい進化を遂げたのはApple Watchといっても過言ではないだろう。Apple Watchは初代モデルの登場からまだ間もないこともあって、iPhoneやスマートフォン以上に1年間での進化の幅が大きい。
実際、Apple Watch Series 2ではFeliCaに対応、同Series 3ではeSIMを搭載してモバイルデータ通信が可能になるなど、腕に装着するコンパクトな製品とは思えないほど、多彩な機能を搭載してきた。そして、Apple Watch Series 4では、初代からのデザインをついに変更。これまで38mmと42mmの2モデル展開だったサイズを、40mmと44mmの2サイズに改め、ディスプレイも両モデルで約30%ほど大型化した。
薄型化、大画面化を実現した「Apple Watch Series 4」
ややポテっとした印象だったSeries 3よりも0.7mm薄くなり、見た目もさらにスタイリッシュになった。機能面では、センサーの速度が大きく向上したことで、転倒検知に対応。意図せず転び、60秒間動きがないときは自動的に緊急通報を行うなど、“見守り端末”としての要素も強くなっている。このApple Watch Series 4を発売日に入手し、数日間使ってみた。ここでは、その使い勝手を報告していきたい。
視認性が大幅に上がり、通知ツールとしての価値もアップ
ディスプレイが30%ほど大きくなったApple Watch Series 4だが、違いは一目瞭然だ。背景がブラックの文字盤はベゼルに溶け込んでしまうこともあって違いが少々分かりづらいが、写真などを表示してみると明らかに迫力が増している。サイズアップに伴い、文字も大きくなっているため、視認性が上がった格好だ。サッと通知をチェックしたときに見やすいため、うれしい仕様変更といえるだろう。
ディスプレイのサイズが上がり、文字などの細かな情報も見やすくなった
これまで小さいサイズの時計が好きで、38mmを装着していた筆者だが、40mmになってもあまり違和感はなかった。むしろ、40mmの方が“ちょうどいい”と感じたほどだ。大画面化と同時に薄型化していることもあり、それが見た目の良さにつながっているようだ。逆に、もともと42mmでも大きいと感じていたため、44mmはやや存在感がありすぎる印象も受けた。
単に大画面になっただけでなく、ディスプレイの四つ角が丸くなっているのもデザイン上のポイントだ。これは、iPhone Xシリーズと同じ処理で、真四角のディスプレイよりもやや柔らかい印象を与える。本体の筐体も柔らかな丸みを帯びているが、このデザインともマッチしている。非常に細かな点かもしれないが、Apple Watchは体に身に着ける製品なだけに、ディテールにこだわるのは大切なことだ。
ディスプレイの角が丸みを帯びたことで、雰囲気も柔らかくなった
筆者は、本体にステンレススチールを採用した「Apple Watch Hermes」を購入した。アルミボディの方が価格も安く、形状自体はまったく同じだが、やはりアクセサリーとして考えると金属の輝きが美しいステンレススチールのモデルを選びたくなる。
筆者はステンレススチールを採用するApple Watch Hermesを購入。文字盤もオリジナルだ
ただし、ステンレススチールは小傷もつきやすく、エクササイズ向きとはいえない。どのような目的でApple Watchを購入するのかにもよるが、ワークアウトの計測用やカジュアルなファッションに合わせるのであればアルミを、よりカチっとした場面でも使うようならステンレススチールを選ぶといいだろう。