商品として魅力的か? ★★★★ 4.0(★5つが満点)
3代目となって、トランクルームへの荷物の積み下ろしをしやすくする工夫なども施され、先代よりも実用性が大幅に向上しているところもある。また、ボディーサイドのキャラクターラインをなくした代わりに、各部の造形を磨くことでプロプーションそのものの美しさを打ち出してきてもいて、3代目としての存在感は確実に高められている。
非常に優れたクルマであるけれども、大きなボディーに小さなキャビンというコンセプトに魅力を感じないと欲しくはならないだろう。運転席周りの空間もミニマムで、それをジャストフィットと喜ぶか、あるいは圧迫感と感じるかはこのクルマの機械的優秀性をもってしても覆せない。
その機械的優秀性は同じメルセデス・ベンツの「Eクラス」や「Sクラス」などとも変わらず、場合によっては「Cクラス」も同等以上に仕上がっている。ともに、最新のメルセデス・ベンツの4ドアセダンの高い実力を等しく備えているのである。つまり、「CLS」に魅力を感じるかどうかは、ひとえにコンセプトとスタイリングが気に入るかどうかに掛かっているのだと思う。好みがはっきりと別れるクルマだ。
■関連情報
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/mercedes-benz-cars/models/cls/cls-coupe/explore.html
文/金子浩久(モータージャーナリスト)