■連載/阿部純子のトレンド探検隊
普段はあまり見ることができないイエローではない業務用製品も多数展示
ドイツの清掃機器メーカー「ケルヒャー」の日本法人ケルヒャージャパンは、日本法人創立30周年を記念した「ケルヒャーフェア 30」を開催した。日本では家庭用の高圧洗浄機としてなじみがあるが、同社は3000機種もの清掃機器を有している。会場では日本で初公開された2019年発売の業務用ロボット床自動洗浄機「KIRA B 50」のデモンストレーションや、多用途作業車、工場設備で使われる集中配管バキュームなど業務用、設置型、大型清掃機器も数多く展示されていた。
今年の大掃除の参考にしたい、注目の家庭用モデル
〇日本専用モデル 家庭用高圧洗浄機「K 2サイレント」
2018年10月発売の新商品は日本市場にフォーカスした家庭用高圧洗浄機「K 2サイレント」(オープン価格)。同社の家庭用高圧洗浄機は空冷式と水冷式があるが、家が隣接している日本の住宅事情もあり、空冷式はモーター音がスリットから漏れてしまうため操作音がうるさいというユーザーの声があった。一方、水冷式はホースで水を出す程度の静音だが、空冷式の倍近い約10㎏の重量があり、双方のタイプとも一長一短があった。
こうした日本の住宅事情、ニーズにあった製品を開発し、従来の空冷式モデル「K 2」に比べて体感音を50%削減し音圧レベルを63㏈に、従来の水冷式静音モデル「K 3 サイレント」と比べて重さは約半分の5.8kgを実現したのが「K 2サイレント」だ。吐出圧力(10MPa)、吐出水量(360L/h)は「K 3 サイレント」と同等レベル。本体の背面にトリガーガン、ノズル、高圧ホース、電源コードをまとめてコンパクトに収納できる。
〇ケルヒャージャパン30周年記念モデル「マルチクリーナー OC 3」
「マルチクリーナー OC 3」(オンラインショップ税込価格・2万1578 円)は、給水タンク一体型のバッテリー式清浄機。本国のドイツではOC 3はアウトドアクリーナーとして使われているが、日本ではもっと細かなシーンで使えるのではないかということでマルチクリーナーと命名。
電源や水道がない場所でも使えてコンパクト。高圧式と比べるとすすぎ洗いというイメージだが、用途を絞って使うにはちょうどいいサイズ。水道の約2倍の圧力(吐出圧力は0.5MPa)で、高圧洗浄機で培った効率的に洗うことができるノズルで、少ない圧力、少ない水でもしっかり洗うことができる。
タンク満タン(4ℓ)の水量で網戸1~2枚分。バッテリーは連続使用で15分。タンク1杯分で稼働時間は2分ほどなので、一度の充電でタンク約7杯分。オプションの吸水ホースを使えばバケツから水を引くことも可能。1回の充電で30ℓほど使える。おすすめの掃除場所としては、網戸や浴室の排水溝、玄関のたたき、植物の水やり、自転車やオートバイの洗浄、ペットの手足の洗浄、墓掃除など。
〇コードレスタイプのスティッククリーナー「KB 5 ホワイト/イエロー」
バッテリー式で手軽にさっと使えるコードレススティッククリーナー「KB 5」(オンラインショップ税込価格・1万4018 円)。スティックを倒すだけで電源がオンオフ。フローリングだと約30分、カーペットは約20分。吸引ではなく本体にあるブラシを回転させてごみをダストボックスに集める、いわばほうきとちりとりが一体化したようなもので、掃除機を出すまでもない簡単な掃除に最適。吸引型と違い排気も出ず音が静かなので、電話をしている最中でも動かすことができる。