(浅井商店松茸ショップ提供)
秋の味覚といえば「松茸」。特に国産松茸は贅沢を極め、ランクによっては非常に高価なものとなる。近年の収穫状況や今年の相場について探ってみた。
国産松茸生産量ランキング2016
国産松茸はどこで最も多く作られているのだろうか。農林水産省の平成28年(2016年)「特用林産物生産統計調査」によると、松茸の生産量TOP3は次のランキングとなった。
第1位 長野県 42.5トン
第2位 岩手県 20.7トン
第3位 岡山県 1.9トン
ほぼ長野県と岩手県で生産されていることが分かる。
近年の国産松茸の収穫状況は?
そこで長野県で古くから松茸を販売する下伊那郡豊丘村の浅井商店の店主に、今年の国産松茸の状況や相場、質のいい松茸の見分け方などを聞いた。近年、国産松茸の収穫はどのような状況なのか。
「収穫状況は下降線気味ですね。ますます、国産松茸は貴重な存在となりそうです。また私がこの仕事に携わるようになった20年ほど前は毎年10月10日前後が最盛期でしたが、ここ数年は9月中が最盛期となり、松茸の最需要期である10月に松茸がないということが多くなってきました。近年は早めに動くことが必要かもしれません」
今年の国産松茸の収穫状況と相場
松茸はただでさえ貴重な存在だが、収穫状況の面からしても、希少価値が高まっているようだ。今年はどのような状況なのか。相場も教えてもらった。
「9月初旬の現段階では何とも言えませんが、ここ数日のまとまった雨は良い結果を産みそうです。個人的には、今年のような猛暑による気温の問題よりも、降水量と雨の降るタイミングのほうが気になります。松茸は、桜とは逆に、寒い地方から発生してきます。その年の気候条件によりますが、松茸の産地である岩手県で松茸が出た(発生した)となれば、その後に発生する長野県でも期待が高まりますね。
相場ですが、盛岡・東京・京都などの市況はチェックしていますが、昨年よりは“強”含みでしょうか。輸入松茸の入荷状況、景気、日本国内の気候などいろいろな要因が絡んでくると思われますので、そういったことの影響も価格に反映してくるかと思われます」