刑事と刑事ドラマとのカンケイ
刑事の中には、刑事ドラマを見て刑事に真剣に憧れて刑事になった人もいるのではないかと思われる。もしかしたら熱烈な刑事ドラマのファンもいるのではないだろうか。そんな刑事同士は、刑事ドラマの好みで討論になったりしないのだろうか?
「確かに刑事ドラマを見て刑事の仕事に憧れて刑事になる人は多いと思います。ただ実際に刑事の仕事を経験していくと、現実の刑事とドラマの刑事には雲泥の差があることがわかってきます。ですから刑事ドラマは完全に『娯楽』であり、テレビ、映画用として虚像の姿を作るのが当たり前という認識に変わります。ですから『あのドラマは脚本がいい』「配役がいい」とかドラマとして評価をし、討論することはあるかもしれません」
刑事も刑事ドラマを見て感動することはあるのだろうか。
「現実にあるようなストーリーの場合は、自分が経験した事件と重ね合わせて見てしまう刑事も多いのではないでしょうか。ただどうしても現実離れしている点が出てくるので感動するかどうかは疑問です。私個人的には『娯楽』としてしか見てないので単純におもしろいと思うドラマはありますが、感動レベルのドラマは記憶にありません。ただ、たまに実話の事件の再現ドラマが放映されることがありますが、実際の事件が題材だと考えるところがかなりあると思います」
刑事も刑事ドラマを見るものの、ありえないシーンが目白押しであることもあり、あくまで「娯楽」で現実とは異なる認識のようだ。
【取材協力】
森 透匡(もり ゆきまさ)氏
刑事塾 塾長
経営者の「人の悩み」解決コンサルタント(人事コンサルタント)
株式会社クリアウッド 代表取締役
警察の元警部。詐欺、横領、贈収賄事件等を扱う知能・経済犯担当の刑事を約20年経験。 東日本大震災を契機に独立し、刑事時代に現場で培ったコミュニケーションスキルをビジネスで役立ててもらうために「刑事塾」という学びの場を開講。「ウソや人間心理の見抜き方」を主なテーマに大手企業、経営者団体など毎年全国180か所以上で講演・セミナー・企業研修を行い、これまで5万人以上が聴講、「究極の心理学だ!」「おもしろい!」と人気を博している。テレビ朝日「モーニングバード」、フジテレビ「ノンストップ」、読売新聞、日経新聞などメディアへの出演、掲載も多数。著書に「元刑事が教えるウソと心理の見抜き方(明日香出版社)」がある。
http://clearwoods.co.jp/
取材・文/石原亜香利