日本はキャッシュレス化が遅れていたが、ようやく〝スマホ決済〟の環境が整った。この動きは2025年に向けて、さらに加速。時代に乗り遅れないため、その基本の〝キ〟を教えよう。
10年以内に、40%以上がキャッシュレス化
最近、コンビニなどでスマホを端末にかざして「シャリーン♪」と軽快な音を響かせながら支払いを済ませる人が増えてきた。そんな、いち早くスマホ決済を取り入れている人の脇で、小銭をジャラジャラと出すと、ちょっと恥ずかしくなってくる。そう、もはや〝スマホ決済〟は、当たり前の時代になりつつあるのだ。
スマホ決済の方法は2種類。スマホを店頭にある端末にかざす「NFC」とスマホのアプリでQRコードやバーコードを表示し店頭のスキャナーで読み取る「コード決済」だ。ガラケーの〝おサイフケータイ〟ファンは多く、スマホに買い替えるのを躊躇する人も多かったが、2016年秋に『iPhone』が日本で主流の非接触型ICカード技術「FeliCa(フェリカ)」に対応し、Apple Payが利用できるようになったことから利用者が増加。JR東日本の「Suica」、NTTドコモの「iD」、JCBの「QUICPay」など、複数の決済サービスに1台で対応できるようになり、従来のプラスチックカードを持ち運ぶ手間が省けるようになった。今年5月にはGoogle Payも「Suica」と「WAON」に対応。
また最近では、楽天スーパーポイントを利用することができる「楽天ペイ」や様々な割引特典を受けられる「Origami Pay」、LINEアプリさえ入れていれば利用できる「LINE Pay」なども増え、さらにソフトバンクとヤフーも「PayPay」を今秋から開始するなど、今後も競争は過熱しそうだ。
普段、クレジットカード払いが多いという人も、スマホ決済のメリットはある。サインや暗証番号入力より指紋認証のほうが安全性は高く、万一スマホを落とした際に悪用される心配が少ない。当然、不正利用時にはカードと同様の補償を受けることができる。
また店舗側にもメリットがある。人件費の高騰や現金管理の手間がかかることから、現金決済をできるだけ減らそうという動きもあり、今後ますます普及しそうだ。
経済産業省の2015年の統計では、日本のキャッシュレス決済比率は18%で、中国の55%、韓国の54%、アメリカの41%に比べるとまだまだ遅れている。それゆえ、2025年の大阪・関西万博に向けて、キャッシュレス決済比率40%の拡大を目標とした現金払いにかかる時間との差は、わずかかもしれないが、それを〝秒〟でできるのであれば、取り入れる価値は十分ある。いや、今後キャッシュレス化が加速することを考えれば、現金払い主義者は、ビジネスパーソンとして周回遅れになるかもしれない。