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ネット検索で悩みが増すことも?精神科医が一日一回、人との会話を推奨する理由

2018.08.21

ちょっとわからないこと、不安なことがあればスマホでちょっとググれば膨大な答えが返ってくる。ある意味、習慣になっているが、それがかえって悩みや不安が増すこともあるという。特に女性は、妊娠中などの体調の変化や精神面の不安定になりがちな時期には注意が必要だ。そこで精神科医にネット検索で悩みや不安が増える理由と対策を聞いた。

ネット検索で余計に「悩みが増す」人も

NTTドコモが2018年6~7月に子持ち女性400名に対して実施した「2018年 妊娠中のメディア接触に関する実態調査」では、妊娠中、不安や悩みの解消のためにネットサーフィン「妊婦サーフィン」をする時間が妊娠前と比べて増えた人は9割以上いた。

妊婦サーフィンの結果、悩みが減った人は45.6%、変わらなかった人は27.8%、そして悩みが増えたのは26.8%。4人に1人が逆に悩みが増えているという結果となった。

この結果について、ゆうメンタルクリニック総院長で精神科医のゆうきゆう先生は次のようにコメントする。

「ネットには色々な情報があふれており、うまく活用できれば素晴らしいですが、一方で玉石混淆であり、正しい情報もあれば間違ったものもあります。加えて、感情的な意見や悪口などもたくさんあります。特に妊娠や出産などといえば、女性が特に不安になる時期。それに関連した情報においても、ネガティブなものだったり、感情的なものだったりするものもたくさんあります。それに接しすぎることで、かえって気持ちが疲れてしまったり、ストレスを抱えてしまったりする可能性も大きいです。ある意味、『たくさんの人でギュウギュウに混み合ったプール』にずっと入っているようなものですね。誰でも疲れてしまいます」(ゆうき先生)

疲れてしまう上に、悩みが余計に増えてしまうことがあるのにも関わらず、なぜ検索にはまってしまうのか。

「人間には本能的に狩猟欲求が存在します。これは『情報』に対しても同じ。色々な情報があると、ついついエンドレスで『もっと集めないと!もっと知らないと!』と思ってどんどんのめりこんでしまいます。ネットをやりすぎて疲れてしまい『なんかマズいかも』と思っても抜けられなくなってしまうのは、それが原因の一つです」(ゆうき先生)

パートナーとの情報共有のほうが有益?

ところで、同調査では、もう一つ気になる結果も出ていた。それは、妊娠中、不安や悩みを感じたときにパートナーと情報共有することで「悩みや不安が減った」と回答した人が53.3%と、半数以上も占めたことだ。

なぜパートナーと情報共有することで悩みや不安が減るのか。ゆうき先生に聞いてみた。

「ネット検索で疲れてしまい、抜け出せなくなって不安が増したとしても、パートナーさんとうまくコミュニケーションが取れれば、気持ちは落ちついていきます。たとえパートナーさんの情報が間違っていたとしても、一人の人間と安定したコミュニケーションを続けることは、気持ちを安らげる効果があるのです。なぜなら基本的に一人の人は、どんな主張を持っていたとしても一貫しているからです。もちろん一貫していない人もいますが、絶対的に多くはありません。そのため、相手と一緒にいることで混乱せず、安心を得られます」(ゆうき先生)

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