宅配業や工事現場のスタッフは、熱中症対策として塩飴のほか、梅干しを食べるという人が多いようだ。今年の猛暑には、特に意識していたに違いない。一般的にも梅干しを食べる対策はよく知られているが、梅干しはどのように選ぶのがいいか。また梅干しにはさまざまな摂取法がある。苦手な人でも食べられる方法も含めて、梅干しの専門家に聞いた。
今年は梅干しが大盛況?
梅漬け伝道師の垣淵浩子さんによると、今年の夏は、熱中症予防のためか梅干しがよく売れたという。
「店頭販売に立ってみると、今年はみなさん、身体が自然と欲しているのか、意識しているのかわかりませんが、かなりしょっぱめの梅干しを希望される方が多いと感じました。ただ暑いだけだと客足は遠のきますが、熱中症予防が啓発されることで意識するのだと思います」
梅干しは実際、熱中症予防にいい効果が期待できるといわれる。
「汗をかくと水分と一緒にミネラルやビタミンも失われ、疲労感も伴います。塩漬け天日干しの梅干しはミネラルバランスの良いアルカリ性食品であること。クエン酸が疲労物質の分解を促すといわれます。また糖分が入っていないので生活習慣病の人にも安心です」
梅干しの種類と選び方
ところでまだまだ汗をかく機会は多い。梅干しを選ぶ場合、どのようなものを選べばいいのだろうか。ここで市販の梅干しの種類について簡単に把握しておこう。
「本来、『梅干し』とは、ウメの果実を塩漬けした後に日干しにしたもののことを言い、塩漬けのみで日干しを行っていないものは『梅漬け』と呼ばれます。また、調味料で味付けされているものは、『調味梅』といいます。いずれも、市販品の裏表示の原料をよく確認してみてください。
●梅以外に「塩」「粗塩」の表記…昔ながらの塩漬け天日干し。梅の実が大きいほど、旨みが感じられる。
●しそ梅…風味が良いが、しそ酸味も加わり、より酸っぱい。
●調味梅…一般的に塩分が低いことが多い。
「熱中症予防に役立てるなら、塩分濃度が低すぎないもの、そして原産地を確認し、調味料の種類が少なく、明解な原料のものを選ぶことがポイントです」