8月初頭に行われた「AUTOMOBILE COUNCIL 2018」。世界のヘリテージカーを集めたイベントは今年で3回目となるが、徐々に人気が拡大している。中でも会場で楽しみにしていたのが、中古車の展示。みなさんご存じの「人気の旧車」は案外目にする機会があるのだが、かつては街中で普通に見られたクルマたちが、今ではほとんど見かけることがなくなっている。そんなクルマたちとの再会は、「お互い頑張ってるな!」って気分にさせてくれる。
しかし、そんなフツ〜な外国車に異変が起きていることに衝撃を受けた。とりわけ80年代後半〜90年代初頭の外国車の値段が高騰しているようなのだ。これは、緊急レポートしなくてはなるまい……。
80年代後半〜90年代初頭のフツ〜な外国車の値段が上がっている!
正直、地味なクルマの代表格であろう、ボルボの7シリーズセダン。その中でも740は特に地味だ。会場で見かけて懐かしさはあったものの、近くにボルボ240もあったので、そちらに足を運ぼうとしたのだが、プライスタグを見た時、目を疑った。
「えっ! 218万円……」
会場のクルマは90年式だったが、筆者の感覚だとせいぜい40〜50万円程度が相場だろうと思っていたので、200万円超には驚いた。
ボルボの7シリーズにはベルトーネがデザインした高級2ドアクーペの780があり、そちらのプライスが200万円超ならギリギリ納得だが、まさかの740。それもワゴンタイプのエステートではなく、セダンとは……。当時はワゴンブームであり、セダンは逆に今、希少になっているのかもしれないと、自分に言い聞かせる。
ベンツの560SELが350万円!?
ボルボ740ショックが冷め切らぬまま、会場をさまよっていると、またしてもショッキングなクルマに出会った。それは88年式のメルセデス・ベンツ560SELだ。
バブル経済の象徴ともいえるベンツで、筆者の憶測で恐縮だが、歴代Sシリーズのうち、日本で最も販売台数が多かったはず。それこそ、23区内なら信号待ちをするたびに出会っていた、そんな印象があるくらい大量に走っていた。
だが、時代の流れの中でこのW126型も街中ではほとんど見かけることはなくなった。小排気量の300SEをご年配が大切に乗り続けている、そんな個体には出会うものの、「ゴーロクマル」には滅多に出会わない。会場に展示された560SELは後期型の白ボディと上品な装いで好感を持っていたのだが、プライスタグを見てまたまた驚いてしまった。
「う〜む。350万円かぁ……」
ついに、W126型もクラシックベンツとしてプレミアムが付き始めたようだ。100万円前後では? と甘く見ていたら、密かに相場は動いていたようだ。