連日のようにメディアで取り沙汰されている甲子園の熱中症問題。7月から続く猛暑の影響により、同大会では日射病・熱中症での体調を訴える球児が続出。
炎天下での開催を疑問視して、「冷房の効いたドーム球場でやるべき」との意見が噴出するのも当然というものだろう。
では、今年のような猛暑の中での高校野球開催について、現役の医師はどのような見解を持っているのだろうか?
6割が「熱中症対策等の条件付きで開催すべき」と回答
全国高校野球選手権大会(甲子園)は例年どおり開催すべきだと思いますか?」との質問に対し、3,000人の医師が回答。最多回答は「特別な熱中症対策等の条件付きで開催すべき」で、約6割を占めた。続いて多かった回答は「このまま例年通り開催すべき」(17.3%)であり、「開催すべきでない」と回答した医師は15.9%であった。
「特別な熱中症対策等の条件付きで開催すべき」(58.8%)と回答した医師のコメントでは、開催を止めるのは難しいかもしれないとしながら、「朝や夕方以降に開催時間をずらす」「気温や湿度が一定以上になったら中止する」などの条件を付けるべきだという声が多く見られた。また、選手以上に、暑さになれていない観客の熱中症を心配する声が多かった。
「このまま例年通り開催すべき」(17.3%)と回答した医師からは、「練習で鍛え、地方大会を勝ち抜いてきた選手たちは暑さも乗り切れるだろう」という声や、「学校側が十分に注意さえすれば大丈夫だろう」「現状の対策で問題ない」という声が挙がった。
医師のコメントを紹介
「特別な熱中症対策等の条件付きで開催すべき」‐1,763件
・熱中症対策を観客側も・主催者側も十分やればできると思います。予想気温何℃以上は試合見合わせとか、グランドも何℃か経時的に測定しつつ、漸次休憩を入れグランド散水するとか。(70代/アレルギー科/勤務医)
・地方大会ですが、試合観戦にいっていて倒れた方を2人診ました。やはり、適切ではありません。精神論ではいけません。開始時間を早める、12時から午後4時ぐらいは行わない、などの対策が必要です。(60代/一般内科/開業医)
・試合を中断することは流れを止めることになり選手にとって望まれないかもしれないが、気温と湿度が一定以上になったら一時中断・休憩あるいは最初からその試合を延期するなど。もちろん、基本に水分・塩分補給も。(40代/リハビリテーション科/勤務医)
・選手は暑さになれているかもしれないが、一般の観客は暑い中で応援していると倒れる人が大勢でるのではないか。選手はもちろん、観客にも熱中症対策をしっかり呼びかけないと開催が危ぶまれる。(60代/一般内科/勤務医)
・早朝1試合、夕から夜に2試合として、日中は試合をしない。イニングの途中であっても、一定時間ごとに強制給水タイムを設ける(審判員も同様)。ベンチにエアコンを設置する。(50代/一般内科/開業医)