クラスDアンプの実力を100%引き出すトランス式パワーサプライを探せ!ZERO ZONEの「HIFI Linear Power Supply 2 Way LPS」
2018.08.01■連載/ゴン川野のPC Audio Lab
Introduction
私が最近、注目しているのがクラスDの中華アンプである。特にモノラルパワーアンプの『FX-AUDIO-FX-501J』はハイコスパで音質も素晴らしいものだった。クラスDアンプであれば、電源の影響を受けないと思っていたのだが『FX-AUDIO-FX502J-S』で検証するとACアダプターで音質に変化があった。これをさらに追求するためにクラスDアンプに合うトランス方式の電源を探すことにした。
Report
トランス式の電源の構造は比較的シンプルで基板付きのキットも販売されているため自作することも可能だ。しかし、自作で問題なのはケースだ。見栄えのいいケースはそれなりに高価だし、フロントパネルのアルミを厚くすれば加工が難しくなる。それを考えるとハイコスパな中華製電源を手に入れて、高音質パーツに交換するなどのカスタマイズをおこなう方法が良さそうだ。クラスDアンプが要求する電源のスペックはDC12〜24Vで、2A以上、4A以上を推奨している。トランス式で24V2Aのスペックを満たすのはなかなか難しい。
今回はモノパワーアンプ『FX-AUDIO-FX-501J』用を探すので、左右独立電源でケースは1個にまとまったものから選んだ。理想はケースも左右独立だが、スペースファクターが悪いしコスパも悪くなる。ebayで探すとZERO ZONEというブランドが良さそうである。ここから『50VA+50VA HIFI Linear power supply 2 Way LPS DC 5V/ 9V/ 12V / 15V / 18V /19V/24V』という製品を選んだ。左右独立電源で左右で別の電圧を選択できるため、プリメインアンプとDACに給電なんてこともできるのだ。入力はAC115Vか230Vなのだが、問い合わせてみるとAC100Vにも対応できるというので、100V仕様でオーダーした。DC24Vを選ぶと1.6Vになる。これで通常の音量なら問題ないと思える。一般的に音量を上げるなら電圧を、立ち上がり重視なら電流を上げるのがセオリーである。12V/3Aか、18V/2Aか悩むところだが、安定化電源を接続したときに大音量でも1Aを超えることがほとんどなかったので、18V/2Aを選択した。
日本円で1万6548円+送料が3332円の合計1万9880円とU2万円で2台分のトランス式パワーサプライが入手できた。これはかなりのハイコスパである。同じサイズでシングル電源であれば、1万8325円で24V/5Aを供給できるモデルもある。
ebayで見付けたZERO ZONEのトランス式電源。ケースとヒートシンクが立派だ。
入力電圧、出力電圧と電流が選択できる。さらに接続端子の極性と太さも指定できる。