大量に汗をかいた後は、ワイシャツやTシャツが雑巾臭くなることがある。臭くなるときと臭くならないときがあるし、なぜか同僚の中でも自分だけが臭いというケースもある。そこで今回は、シャツが雑巾臭くなる理由と解決策を専門家に聞いてみた。
シャツの洗濯方法が原因かも!?
体臭専門医の五味常明先生によると、まず、ワイシャツやTシャツに汗で濡れた状態になったときに雑巾のようなニオイがする理由は、大きく2通り考えられるという。一つは、シャツについた皮脂汚れや菌が原因のもの、もう一つは、汗のニオイが原因のものだ。
まずはシャツが原因のニオイについて知るべく、洗濯のエキスパートであるライオン株式会社のお洗濯マイスター山縣義文さんに話を聞いた。
「シャツが汗臭くなるのは、身体由来の皮脂汚れと菌が原因です。皮脂汚れが空気酸化や菌の作用を受けて分解することでニオイ物質、つまり中鎖脂肪酸を主体とした複合臭が生成されます。
また、洗濯したシャツを干しているとき、乾かないで湿った状態が長時間続くと、菌が増殖して汚れを分解し、部屋干し特有の雑巾臭のようなニオイが生成されます。汗臭いニオイと雑巾臭いニオイは、微妙にニオイの質は異なるものの、いずれも中鎖脂肪酸を主体とした複合臭で、洗濯しても落ち切らなかった皮脂汚れと菌が関係しています」
この皮脂汚れと菌の繁殖を防ぐにはどうすればよいのだろうか?
「まずは雑巾臭の原因である皮脂汚れをしっかり落とすことが大切です。さらに、菌対策をするといいですね。洗剤は、皮脂汚れをしっかり落とすことのできるものを使いましょう。除菌や抗菌効果のある液体酸素系漂白剤や柔軟剤を合わせて使用すると良いです。
また、シャツを干しているとき、菌が増殖しないようできるだけ早く乾かしましょう。洗濯物同士の間隔を開けて干して風の通り道を作ったり、室内に干すときには扇風機や除湿機などの風を当てて、シャツの周りの湿った空気を強制的に交換したりすると効果的です」
夏のシャツの雑巾臭を防ぐには、皮脂汚れをしっかり洗い落とすことと、素早く乾かす工夫をすることがポイントになる。洗剤は、皮脂汚れをしっかり落とす効果が高いというライオンの『トップ スーパーNANOX』などが例となる。