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飲んだら泳ぐな!読むと恐くて〝酔泳〟なんてできなくなる話

2018.07.29

酔泳(すいえい)とは何か??

 酔って泳ぐことを「酔泳(すいえい)」と言います。

「酔泳」という言葉は、海上保安庁第八管区海上保安本部管内(福井県,京都府,兵庫県北部,鳥取県,島根県の1府4県を管轄)で、平成25年に「飲酒後の遊泳(酔泳)事故」による犠牲者が多く、地元を含め複数の新聞などで報道されたことで問題となりました。

 昨年の「酔泳事故」の状況をご覧ください。

【飲酒をしての遊泳による事故者の死亡率(平成29年)/平成29年海難の現況と対策(海上保安庁)81pより】

 遊泳中の事故者262人のうち、飲酒後の遊泳(酔泳)による事故者は、38人で、酔泳事故者の死亡率は、53%(平成28年は63%)でした。
 飲酒をしていない場合の死者・行方不明者数と比べると、なんと約4倍も多いのです。

「酔泳」による事故は、生命に関わる危険な行為と言えます。

「酔泳事故」が発生する2つの場面!

「酔泳」事故は発生し得る、2種類の状況があります。

1.飲酒後、自分の意思で泳ぐ「酔泳」!

 海辺での飲酒後、海に入って水を浴び「酔い覚まし」しようとして泳ぎ事故に遭う。

 前述の動画『Don`t Drink and Dive』で分かるように、泳力がある人でもお酒により泳力は確実に低下し溺れやすくなるので、絶対に避けるべきでしょう。

2.遊泳する意図は無かったが、結果的に「泳がざるを得ない」状況で起きる「酔泳」

 本人は海に入る(泳ぐ)つもりがなく、飲酒。家族や友人などが溺れてしまい、救助のために泳ぎ事故に遭う。

「目前で苦しむ人を助けたい」想いは非常に尊く、人道的観点からも、「救助」行為を完全に否定することは出来ません。しかし、他者を救助する際でも「酔泳」は避けるべきでしょう。

 そもそも、「水難救助」行為自体が難しい上、「酔泳」状態は、救助者が本来持つ「泳力をも低下させる」ため、「共に溺れてしまう」危険性も非常に高くなります。

『(浮き輪やペットボトルなど)浮く物を投げる、周囲に助けを求める、118(海上保安庁)や119(消防),110(警察)に通報する』ことも、重要な「救助行為」です。

 『海水浴と医学の不思議な関係7/16』で書いた通り、<海水浴の事故は遊泳可能な海水浴場以外の場所で発生しやすい>です。たとえ事故が発生した場合でも、周囲に助けを求められる環境にいるかどうかで、1人1人の未来も変わってきます。悲しい「酔泳事故」防止には、決して「お酒を悪者」として捉えるのではなく、「お酒で泳力が低下し、結果的に溺れやすくなるから危険である」ことを皆さんの心に置いて頂きたいと思います。

資料協力: 海上保安庁 交通部 安全対策課
海の安全情報ページ

(池袋さくらクリニック 院長 倉田大輔)

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