■医師がすすめるカラダにイイこと! 教えてDr倉田
現役医師が教える健康にイイこと、カラダにイイこと。今回は飲んで泳ぐのがどれだけ危険なことか、夏本番、本格的な海遊びシーズンの今、教えてくれます。
海辺でグラスを傾け、波の音を聞き、寄せては返す海の流れ、癒されますよね。至福の時間です。その時近くで「助けて」「溺れてる!」という言葉が聞こえたとしたら、正義感や使命感の強い皆さん、(お酒を飲んでいても)海に飛び込み助けるかそのほかの方法、どちらを選びますか?
お酒に強い人、弱い人
「お酒が強いor弱い」という言葉がありますね。「お酒で顔が赤くなる、気分が悪くなる」のは、「アセトアルデヒド(アルコールの代謝物質)の耐性」が関係します。
アセトアルデヒドへの「耐性が強い人(赤くならないなど)⇒お酒が強い、
耐性が弱い人(すぐ赤くなるなど)⇒お酒が弱い」と理解されがちですが、「アルコール自体への耐性(酔う、酔わない)」とは別なのです。
実は「お酒が強いこと=気持ち良く飲んでいる時間が長い(結果的に酒量は増える!)」だけで、「酔わない(酔っていない)」訳ではありません。
自分自身で「お酒が強い! ほろ酔い気分だな!」と感じる、その感覚こそ「酔っている」ことの何よりの証拠なのです。
お酒を飲んで泳ぐとどうなるか? 動画『Don`t Drink and Dive』より
2014年、スウェーデンで、水難事故の増加と事故原因の飲酒の関係性から、スウェーデンの保険会社「TRYGG-HANSA」が「アルコールと思考能力や技術能力を鈍らせるか」を訴えるために作成した、実験動画『Don`t Drink and Dive(飲んだら潜るな):2015年作成』。
<参加者>
「スウェーデン男子シンクロナイズドスウィミング チーム」メンバー。
彼らは、「2009年、2011年、2013年世界チャンピオン」です。
<実験内容>
飲酒後にシンクロナイズド演技が出来るのか?
安全対策として、医師やライフガード、ダイバーが待機。
「19:00飲酒開始~約6時間」
ビールやショットグラスを次々に開け、歌を歌ったり、水鉄砲で遊ぶなど楽しく過ごします。時々「アルコール呼気中濃度」を測定します。
個人差はありますが、酒量や酔いの状態をご覧ください。
お酒がだいぶ回ったであろう、4時間半後の23:30、フォーメーションの確認をしますが、「酩酊期」レベルに上昇している人や、最高で1.82mg/L(泥酔期)を示す人もいました。それでも瓶を開ける面々。酔いつぶれる人や「STOP!」という静止を振り切る人、
「25:00過ぎ~プール演技開始」
飲酒前、プールで綺麗な演技を見せていた彼ら。飲酒後はどうなったと思いますか?
シンクロナイズド演技にならないどころか、泳げず、沈んでいく選手が続々出る結果に。
興味がある方は、『Don’t Drink and Dive』で検索すると、無料動画YouTubeなどで視聴できます。
「日本人に比べ体格も良くお酒に強い(とされる)欧米人、体力もあるスポーツ選手、泳ぎの達人」がなぜこういった結果になったのでしょうか?
この動画は、「お酒の種類や飲酒量・経過」などを厳密に調査しておらず、学術的な医学実験とは言えません。「酔って泳ぐとどうなるのか」という現実の映像として非常にショッキングなものです。