ミロは「スポーツドリンク」という位置づけ
シンガポールに限らず東南アジアのコンビニでよく見かけるのが、ネスレのミロである。
日本では、どちらかと言えば「子供の飲み物」というイメージが強いミロ。しかしシンガポールでは、老若男女問わずミロが飲まれているという。
最近ではネスレが主催するスポーツ大会なども行われているが、そこで掲げられているのはネスレのロゴではなくミロのロゴだったりする。要は、「ミロ=スポーツドリンク」という認識だ。大塚製薬のポカリスエットも広く飲まれているが、ミロはそれと同等以上の浸透具合というのが筆者の印象である。
アスリートがスポーツドリンクとしてココアを飲む、というのは確かに合理的だ。水分とカロリーと栄養を一度に摂取することができる。大量の汗をかかざるを得ない熱帯の国では、なおさら必要だ。
コンビニで売っている「万能薬」
だが、上記の飲み物のインパクトを凌駕する商品がシンガポールのコンビニには存在する。それがThree Legs Cooling Waterである。名前の通り、3本足のマークでよく知られたものだ。
ミネラルウォーターの棚によく置かれている商品だが、その味は普通の水と全く変わらない。ところが、このThree Legs Cooling Waterは風邪や発熱、歯痛に効能があるという。現地では「マジックウォーター」などと呼ばれていたりする代物だ。
いくら何でも、ホントかよ!? と突っ込みを入れたくなるが、実はこのThree Legs Cooling Waterには石膏が入っている。そう、あの石膏だ。だが東洋医学では古来より、石膏は漢方として用いられてきた。これがマジックウォーターの核心部分である。
筆者の友人(シンガポール人)曰く、
「Three Legs Cooling Waterがあれば大抵の風邪は治せる!」
とのこと。単なる自然治癒ではないかとも思えるが、「病は気から」という言葉もある。いずれにせよ、風邪を引いたらとりあえずThree Legs Cooling Waterという習慣が現地にはあるということだ。
米朝首脳会談との関連性
以上、米朝首脳会談とは直接関係のない「シンガポールのコンビニで売っている飲み物」についてご紹介した。
しかし、現地入りした該当両国のスタッフや報道関係者がこれを飲んでいると考えれば、あながち無関係というわけでもないはずだ。
ひょっとしたら、トランプ大統領や金委員長も上記の飲み物を口にしていたかもしれない。
取材・文/澤田真一