2018年6月12日、世界の目はシンガポールに向けられていた。
史上初となる米朝首脳会談が、この国で行われたからだ。アメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩党委員長が、まったく同じ時間に同じ国にいるのだ。この日、シンガポールは全世界の目を独り占めにしたといっても過言ではない。
筆者もこの時、シンガポールで取材活動をしていた。@DIMEの原稿を書くためだ。その内容はもちろん、米朝首脳会談について……ではない。金委員長の宿泊するセント・レジスホテルに報道陣が集まっていたが、常夏の国での取材には水分補給が欠かせない。現に、近くのコンビニでは報道関係者らしき人たちがこぞって飲み物を買っていた。
そこで売られている飲み物に、筆者は注目していた。
お腹が空いたら「あの飲み物」
まず、トランプ大統領と金委員長が宿泊していたホテルの周辺環境を説明する必要がある。
トランプ大統領はシャングリ・ラホテル、金委員長はセント・レジスホテルにいたのだが、この両ホテルは歩いて往復できる距離にある。そしてこのあたりは、高級ショッピング街であるオーチャードロードエリアに属している。
ホテル周辺は確かに厳しい警備が施され、勇猛果敢で知られるグルカ人の武装警官も立っていた。しかしそこを少し離れれば、親子連れが歩く平和な街並みである。小売店やレストラン、コンビニ等は通常営業だ。まるで、何事もないかのように。
シンガポールのセブンイレブン。上の写真のようにキヨスクに似た形態の店舗もあるが、地下鉄駅の脇に設置された店も存在する。そんなシンガポールのセブンの飲料冷蔵庫で、こんなものを見つけた。
「お腹が空いたら」でお馴染みのスニッカーズとM&M’sである。あれ? スニッカーズって飲み物だったっけ?
筆者は半ば衝動的にそれを購入。ラベルを見渡してみる。1本350mlで、カロリーは100mlあたり70Kcal。コカ・コーラのそれは100mlあたり45Kcalというから、これはなかなかのもの。350mlでは245Kcalだから、1日2?3本でも飲めば間違いなく太る。
しかし、このあとで筆者はスニッカーズのドリンクを飲む報道関係者を見かけた。ジャーナリストは体力仕事でもある。しかも炎天下での金委員長待ちとあっては、水分とカロリーを同時に摂るほかないのだろう。