会社からの帰り道、もうすぐ自宅に着こうかというところで、道端の狭い草むらで子猫の鳴き声がする。近づいてみると、ダンボール箱の中に小さな猫が1匹。傍目に見ても弱っていて、思わず拾ってしまった。さて、どうする?
猫ブームの陰で、捨てられる猫は決して少なくはない。思いがけず猫を拾ってしまうシチュエーションは、誰にでも起こりうる問題だ。そうした問題に対する対応策を網羅した書籍『野良猫の拾い方』(大泉書店)が4月に刊行され、版を重ねている。
本書は、野良猫の保護の仕方、駆虫薬の使い方、週齢に応じた飼育法など、野良猫を「拾う」→「飼いならす」までのノウハウがまとめられている。東京都最大の保護猫団体「東京キャットガーディアン」が監修しており、情報の信頼性は折り紙つき。もちろん、冒頭で書いたような、思わず拾った弱っている子猫の応急策についてもページが割かれている。詳細は本書に目を通していただくとして、ここではその方法をかいつまんで紹介しよう。
低体温の猫の応急手当
どのような状態であれ、弱った猫を拾ったら「動物病院へ直行する」のが原則。しかし、早朝や夜で動物病院が受け付けていないなど、それが無理なこともあるだろう。この場合は、自宅に連れて必要な処置を施す。
子猫の胴体を触って冷たいと感じたら、低体温になっている。このときに有効なのが「濡れないお風呂」だ。
【用意するもの】
・洗面器
・ビニール袋(取っ手のある厚手タイプがおすすめ)
・(必須ではないが)タオル
【やり方】
1. 洗面器に38℃くらいのお湯を張る(温度計がなければ、指を入れて「お風呂より少しぬるい」くらいを目安に)。
2. ビニール袋に子猫を入れる。一緒にタオルを入れるとベター。
3. ビニール袋に入れた猫を洗面器に入れる。
4. お湯が冷めてきたら、お湯を追加する。
5. 子猫の胴体を触って、温かくなっていたら洗面器から出して部屋で保温。