小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

先人を超えたい!圧倒的な向上心を持ち続けた高校時代の大谷翔平

2018.07.15

先人を超えるような160kmの目標

 その指針のもとで、「誰もがやっていないことをやる」「非常識な発想を持つ」、そして「自分で道を切り開いていく」という思いを大谷は強くしていった。

 新たな発想力を身につけるためには、先人を超えようとする意識や姿勢も大事になる。憧れの選手のようになりたい。「誰かみたいになりたい」と考えるのではなく、その領域を「超えたい」と思わなければいけない。そのためにも、具体的な数値目標を持つ重要性を、佐々木監督は多感な時期の大谷に伝えた。

「具体的な数値を与え、本人が目標を持つことで、人は目指すべきものが明確になります。目標には、そもそも数字がないといけない。また、計画がセットされていないと目標とは言えないと思います。ですから、選手たちには数値やライバルといった具体的な目標を持たせて、それを達成するための計画を立てるように言い続けています。大谷にとっては、160kmという数値が大きな目標になったと思いますし、その目標自体が彼を引っ張ってくれたと思います」

 多くのメディアで紹介され、今ではすっかりと有名になったが、花巻東高校には具体的な目標と、そのための取り組みを書き記す目標達成表がある。「目標達成シート」とも呼ばれるその用紙は、選手全員が入学後すぐに書くものだ。いわゆる、人生の大きなライフプランを記したようなもの。将来的にはどうなりたいのか。何をやりたいのか。そのためには何をしなければいけないのか。高校3年間で、マス目の言葉を修正したりもする。用紙の中央部分に書いた言葉が、その選手の大きな柱となる大目標になるのだが、大谷は高校1年時に「ドラ1 8球団」と書いた。その時点では、日本プロ野球のドラフト会議で8球団から1位指名されるような選手になることを目指した。

 目標を達成するために、自身に必要な要素として、ピッチャーとしての「キレ」や「コントロール」、さらに「体づくり」や「メンタル」という言葉を書き込んでいる。また、「人間性」や「運」という言葉も。そこには、彼のこんな思いが含まれている。

「ちゃんとした人間に、ちゃんとした成果が出てほしい。どの分野においても、僕はそう思っています。真面目にやってきた人間が『てっぺん』に行くべきだと思っていますし、それなりの成果を出すべきだと思っています。本当の意味でのトップの人間とは、そうあるべきだと僕は信じてやっていきたい。今でもそういう気持ちがあります」

岩手県水沢市(現・奥州市)で、3400gで産声を上げた。岩手県水沢市(現・奥州市)で、3400gで産声を上げた。

小学校に入学したばかりの頃に大谷家へやってきた愛犬「エース」とともに。小学校に入学したばかりの頃に大谷家へやってきた愛犬「エース」とともに。

 

取材・文
ささき・とおる/1974年岩手県生まれ。スポーツライター。主に野球をフィールドに活動する中で、大谷翔平の取材を花巻東高校時代の15歳から続ける。近著『道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔』(扶桑社)がヒットとなっている。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。