何気ない日常の中で、思わぬトラブルが起こることは誰にでもある。
「地下鉄御堂筋事件」をご存知だろうか。痴漢にあっている女性を助けた別の女性が逆恨みされ、暴行を受けたという非情な事件が過去に起こった。この事件をきっかけに、女性専用車両を設ける取り組みが始まったといわれている。混雑時の電車の利用に不安を抱えている女性にとって、この女性専用車両が安心感を与える存在となっているのではないだろうか。
そのような背景を踏まえ、日本法規情報は『女性専用車両に関するアンケート調査』を実施した。
女性専用車両に賛成する人は6割以上
質問:電車に女性専用車両があることに対して賛成?(単一回答)
「いいえ」と回答した人は5%。6割以上の人が女性専用車両に賛成していることが分かった。一方、明確に女性専用車両に賛成しないと回答した人の割合はわずかではあったものの、5%いることが明らかに。
続いて、「いいえ」と回答した人にその理由を質問した。
女性専用車両に反対する理由で最も多かったのが、「男性差別と感じるから」
質問:女性専用車両に反対する理由に最も近いものは?(単一回答)
調査の結果、「男性差別だと感じるから」と回答した人が44%、「他の車両の方が混雑して不公平になるから」と回答した人が32%、「痴漢防止のための適切な手段ではないと感じるから」と回答した人が11%、「改札口に一番近い車両にいたい男性に迷惑になるから」と回答した人が8%、「その他」と回答した人が5%だった。
「男性差別と感じるから」と「他の車両の方が混雑して不公平になるから」の二つの回答が、多くを占める結果となった。この結果から、反対理由としては、女性専用車両に対して何らかの不平等さを感じるからというものが多いことが明らかに。
次に、女性専用車両に男性が乗ることに対してどのように感じるか質問した。
女性専用車両に男性が乗ることについて否定的な感情を持つ人は8割以上
質問:女性専用車両に男性が乗ることについてどのように感じる?(単一回答)
「不快に感じる」と回答した人が48%、「法的に禁止されているわけではないので仕方がない」と回答した人が34%、「気にならない」と回答した人が10%、「その他」が88%という結果になった。
女性専用車両は男性に任意に協力を要請するものであり、法的に乗車を禁止するものではない。そのような背景を踏まえ、仕方がないと感じる人も一定数いた。「不快に感じる」と回答した人と合わせ、8割以上の人は男性が女性専用車両に乗車することに対して、否定的な感情を抱くようだ。また、多くはありませんが、気にならないと感じる人もいることがわかる。
痴漢被害防止の目的で女性専用車両が設置されているが、男性の立場から、痴漢冤罪防止のために男性専用車両を求める声も上がっている。