■連載/ゴン川野のPC Audio Lab
Introduction
ハイエンドオーディオの鉄則は単一機能になるほど偉い、いや上級であると考えられている。例えば普通なら1台で完結するCDプレーヤーをCDトランスポート、D/Aコンバーター、電源部と3つに分けるとか。さらにD/Aコンバーター自体も外部クロックとインターフェイスと電源部で3つに分ける。ここまでやるのはかなりマニアックで、オーディオマニアが最初に手を付けたいと考えるのは、プリメインアンプをセパレートアンプにすることだ。プリアンプとパワーアンプ。ライン入力のみならDACプリやパッシブアッテネーターとの組み合わせもアリだ。ここでパワーアンプの存在がクローズアップされてくる。パワーアンプは正しく言えばステレオパワーアンプ。これをL、Rで独立させたのがモノラルパワーアンプである。次はチャンネルディバイダーを入れてマルチだが、今回、注目するのはモノラルパワーアンプである。
ただでさえ大きくて重くて高価なパワーアンプを2台も置くモノラル化はオーディオマニアの究極の夢とも言える。日本の住宅事情とサイフ事情から言ってかなり困難だ。私もステレオパワーアンプを使っている。ところがクラスDアンプの登場で超小型モノパワーアンプが製造可能になった。なにしろAVアンプの中には出力100Wを超える大パワーアンプが何チャンネル分も入っているのだ。3万円で6.1ch分のアンプが入っていれば、1ch/5000円のパワーアンプあってもおかしくない。そう思っているとNFJから、TPA3118デジタルパワーアンプICをBTLにして出力100Wが出せるモノラルパワーアンプ『FX-AUDIO-FX-501J』が発売された。在庫切れだったのだが、再販されたので入手、早速レポートしてみたい。
Report
『FX-AUDIO-FX-501J』は7月4日21時より「NFJストア ヤフーショッピング店」などで再販され1人限定2個まで購入可能になった。販売開始後約30分で売り切れたが、定期的に再販される予定だ。一般的にセパレートアンプと言えば、そのオーディオメーカーの製品構成ではハイエンドにあたり、ヤマハのように製品そのものが存在しないメーカーもある。モノラルパワーアンプと言えばさらに敷居が高く、アキュフェーズなら『M-6200』希望小売価格90万円である。当然2台必要なので180万円となる。クラスABで1Ω負荷で1200Wという化け物のようなアンプで、強力な電源部を積んでいるため重さ40.2kgになる。FX-501JはクラスDで4Ω負荷で100W、重さ370gで、価格は4480円(税込)なので2台買っても8960円と超ハイコスパ。もちろんプリアンプかアッテネーターなど音量を調節ためのコンポが別途必要になる。
ゲインを変更するためのゲイン切替がフロントパネルにあり使いやすい。
リアパネルはライン入力端子とスピーカー端子、電源用DC入力が並ぶ。モノパワーとして使う場合はRに入力する。LRに入力するとミックスされてモノで出力される。
アッテネーターはステレオサウンドストアが販売した『NM-26.2』を使用した。誤差1%の金属被膜抵抗を使った24ステップの抵抗切替型で音色はややクールである。これにラズパイ3とDACボードを加えればミニマムサイズのハイレゾ対応システムが完成する。