■連載/阿部純子のトレンド探検隊
1957年に世界初の量産型マッサージチェアを発売し、現在もマッサージチェア販売数1位を誇る健康機器メーカーのフジ医療器。マッサージチェアのほか、小型マッサージャー、フィットネス機器など手掛ける同社から、7月2日より新発売された、音波振動によるトレーニングマシン「ダイエットトレーナー コア DT-C1000」、太ももから足先まで下半身をケアする「モミーナ プロ EX フットマッサージャー KC-320」の2製品が発表会が開催された。
◆音波振動で時短トレーニングができる「ダイエットトレーナー コア DT-C1000」
2005年から登場したワンコインフィットネスで人気を博した振動マシンだが、流行に伴い家庭用の振動マシンも登場。フジ医療器ではモーターを回転させ1分間に400~1300回転の振動刺激でトレーニングする家庭用マシンを販売、ピーク時で7万台以上の販売実績があった。
従来の振動マシンは筋肉の活動量を上げて痩せやすい体をつくるトレーニング目的だったが、新発売の「ダイエットトレーナー コア DT-C1000」(オープン価格/想定価格29万8000円)は独自の音波振動により、本格的なトレーニングから、メタボ対策や高齢者のロカボ対策といった日常ケアまでをカバーする新しいフィットネス機器だ。
業務レベルに匹敵する幅広い音波振動を家庭用に開発。微振動を生み出すソニックバイブレーションユニットが搭載され、1秒間の最大振動回数は60回、1分間で3600回転の振動刺激を生み出す。1秒間の振動数はHzで表示し、振動数は0.1Hz単位で13~60Hzまでの570段階、振動の幅(強度)は99段階の微調整が可能となっている。
さらに従来と大きく異なるのが、垂直に高速振動するということ。垂直運動なので振動するHzによって振動する部位が変化する。Hzが上がると、振動が下から体の上部に伝わってくる。発表会では揺れがわかるように長いイヤリングを付けてデモンストレーションが行われた。30Hz以上になると振動音が大きくなり、乗っている方も頭まで微振動が突き抜けた感じになるが、見た目にはほとんど揺れているように見えない。
製品化にあたっては、大阪体育大学の石川昌紀教授との共同開発を行った。石川教授は身体運動中の神経、筋機能メカニクスを専門としている。「全身振動は筋パワーを高めるだけでなく、筋肉に対してのウォームアップ効果、筋緊張の緩和、柔軟性、バランス能力向上にも効果が期待できる」(石川教授)
Hzによってどの部位がどのように振動してどのような効果があるか、石川教授の監修協力を得て検証した結果、使い方によってさまざまなポージングを取ることで効果的な運動ができることが実証され、高速振動により筋肉に刺激を与えるだけでなく、振動下で運動することにより時短トレーニングを可能にした。