訪日外国人の増加により、富士山でも外国人登山客が急増。環境庁の調査によると、吉田ルートで登山者全体の24.5%、富士宮ルートでは11%が外国人だという。
代表的な2ルートの外国人登山客の国籍を見ると、富士宮ルートの1位は「韓国」。一方、吉田ルートは「台湾」が1位で、ルートによって上位が全く違う結果に。いったい、なぜなのか?
「国による利用空港の違いだと思います。LCCの就航事情などの関係から韓国人は関西空港利用者が多い。関西からだと富士宮ルートが便利です。台湾人は羽田や成田を利用する人が多く、首都圏から行きやすい吉田ルートを選ぶのではないでしょうか」(富士五湖自然保護官事務所担当者)
法務省の調査(※1)によると、訪日韓国人のうち関西空港の利用者は約30.5%。韓国では「関西から富士山」という観光ルートが確立されているのかもしれない。
※1 法務省「出入国管理統計」
■ 富士山に登った外国人のルート別国籍ランキング(吉田ルート)
登山客の約6割が利用する人気ルートで、登山道が渋滞することも多い。首都圏からのアクセスが良く、吉田ルート入口付近は多くのお土産屋さんが並ぶ観光地となっている。
■ 富士山に登った外国人のルート別国籍ランキング(富士宮ルート)
富士山の代表的な登山ルートの中で一番標高が高い2390mからスタート。その分距離が短いので、初心者向き。登りと下りの道が同じなのが大きな特徴。
※調査日を土日祝日と平日の各2日間を設定。合計4日間の調査結果をもとに富士山における国籍別外国人登山者割合の推定を行なっている。環境庁「平成27年度富士山における外国人登山者動向把握業務調査結果概要」より
文/編集部
※記事内のデータ等については取材時のものです。