昔から、「外車=大型二輪免許」というのはライダーの常識。とくに40代以上のライダーであれば、当時国家試験並に難しいと言われた「限定解除」が必須だったため、外車に乗るのは、ごく一握りのフリークのみの特権だと思っていた人も多いだろう。だけど、今や世界的なバイク市場のバランスが変わり、排気量400cc以下の輸入車が増えているのだ。
というわけで、今回は「若い普通二輪免許ライダー」はもちろんのこと、長らくバイクから遠ざかっていた「中年・中免ライダー」も必見! いま買える魅力的な輸入車を集めてみた。
■日本だけでない。今、世界が400cc以下のバイクを求めている!
携帯電話や家電製品など、日本はあらゆる規格が独自のものを採用する“規格ガラパゴス大国”。それはバイクの免許制度も同様で、アメリカやヨーロッパでは一部の小排気量・低出力モデルを除いて、基本的に免許による排気量区分はない。ところが日本ではご存知のとおり、普通二輪免許で乗れるのは400ccまで。それ以上の排気量に乗るには、また新たに教習所に通って、大型二輪免許を取らなければならないのだ。
そのため、日本では「400cc=ミドルクラス」という認識だが、排気量区分のない海外ではそんな認識はなし。ミドルクラスといえば、600ccや650ccを指すのだ。つまり、世界から見れば400ccは小型でもなければ、中型でもない「中途半端な排気量」ということ。これが、長らく海外メーカーが400ccクラスをリリースしなかった最大の理由なのだ。
ところがここ数年、風向きが大きく変わりつつある。そのキーポイントとなるのが、東南アジアをはじめとする新興国である。彼の地では経済成長によって、バイクを趣味として乗る人が増加。しかし、経済的・法律的な理由によって、まだまだ400cc以下の“小排気量モデル”が人気なのだ。そして、各メーカーもそんな新市場を狙い、たくさんのモデルが開発されるようになったのである。
また、400cc以下のバイクは車両価格が手頃なのも嬉しいポイント。多くのモデルは100万円以下の価格で手に入り、しかも大型モデルと違ってコンパクトで軽いから、街乗りやちょっとした移動にだって使いやすい。だから、大型二輪免許を持っているライダーにだっておすすめできるモデルが多いのだ。
バイクはデカけりゃ良いってものではない! 本当に魅力あるバイクに排気量は関係なく、実際に、注目すべきモデルはこんなにもたくさんあるのだ。
■MOTORCYCLES
SWM Motorcycles SILVER VASE 400
66万9600円(税込)
1970年代にヨーロッパのエンデューロシーンを席巻したブランドが復活! 同社を代表するモデルとしてリリースされたのが、シルバーベース400だ。オーソドックスなダブルクレードルフレームに空冷単気筒エンジンを搭載。クラシカルなスクランブラースタイルとなっている。大型二輪免許所持者には、440ccの排気量を持つシルバーベース440(400と同価格)がオススメだ。
SWM Motorcycles GRAN TURISMO 400
68万4720円(税込)
クラシカルかつオーソドックスなロードスポーツモデル。シルバーベース400と同じフレームとエンジンを持ちながらも、低めのバーハンドルとオンロードタイヤによって、その雰囲気を大きく変えている。こちらも440ccモデルが設定されている。
DUCATI Scrambler SIXDAY2
89万9000円(税込)
バイクらしい普遍的なフォルムに最新の性能をミックスした「スポーツヘリテイジ」。世界的なブームとなり、今なお高い人気を保つジャンルだが、その牽引役の1台がスクランブラー・シリーズだ。SIXDAY2は上位モデルと同車格ながらも、400ccだから扱いやすくて軽い! かつて400SSやモンスター400など、中免ライダーのためのモデルをリリースしてきたドゥカティからの、久しぶりの400ccモデルだ。